─真面目一筋の夫の浮気を疑う中国人妻の心に寄り添って─
2020年06月26日
疑念にスイッチが入ってしまった中国人妻
今回の調査依頼者は中国出身の女性です。過日、たどたどしい口調で「ワタシ、シークレットサービスさんにソウダンがあります」と電話をいただいたことから、実際にお目にかかることになりました。
面と向かってお話をさせていただくと、私の言っていることは概ね理解していただいていますが、自分から話すことも含めてご自身いわく「日本語はあまり得意ではない」とのことです。
以下、事件の詳細を記しますが、カギカッコ内の彼女のお話は決して流暢な日本語ではないことを想像しながら読み進
めていただければ幸いです。
今回の調査依頼者のお名前は前山紅花(まえやまホンファ)さん(仮名・47)。上越地域の某所で日本人のご主人と暮らしています。
通常ですと、依頼者様との面談は当調査事務所で行われることが多いのですが、紅花さんは土地勘があまりないことから、普段から通い慣れている地元の河川敷公園の駐車場に車を止めて車内で行いました。
紅花さんに、相談用のワンボックスの後部座席に乗車していただき、そこでご挨拶させていただきました。
紅花さんは開口一番「〇〇〇〇さん」と私のフルネームを呼んで、「マスクをつけてください」とおっしゃって私にマスクをくださいました。いうまでもなく新型コロナウイルスへの感染予防のためです。
苗字だけではなくフルネームを呼ぶあたりからして、彼女はきっと生真面目な性格の持ち主なのでしょう。たどたどしい日本語でお話が始まりました。
その紅花さんは今から20年前、結婚を機に中国から日本に移住してきたといいます。ご主人の久雄さん(同・55)には当時、前妻との間にもうけた5歳のご長男がいらしたそうですが、紅花さんが一生懸命育て上げ、その彼も今では25
歳の立派な成人となっています。
紅花さんがお話しになられます。
「お父さん(久雄さんのこと)の仕事は農業なので、私はお父さんと結婚して農家の嫁になりました。農家の嫁は農業を手伝うのが当たり前ですから、私は毎日畑仕事をしています。お父さんはトラックに乗って田んぼから田んぼに移動して仕事をしています。
農家の仕事は大変だけど、私は20年頑張ってきました。お父さんも仕事を頑張ってくれています。優しい人です。私はお父さんを愛しています」 (紅花さん)
たどたどしい日本語ではありますが、紅花さんの言葉の端々からご主人に対する深い愛情が感じられます。
端から見れば幸せを絵に描いたようなご家族に映りますが、紅花さんにはある悩みがあるといいます。
紅花さんがその悩みを打ち明けます。
「去年の9月頃、私は見てしまったのです。自宅の近くに納屋がありますが、そこで近所の奥さんとお父さんが仲良く話しているのを見てしまったのです。
その奥さんにはご主人がいますが、ご主人は足腰が弱っていて満足に外には出歩けません。でも奥さんは自由に外出できますから、私はお父さんがその奥さんと浮気をしているのではないかと疑っています」 (同)
紅花さんによれば、ご主人の久雄さんと近所の女性が密会している“証拠”もあるといいます。
紅花さんが続けます。
「浮気を疑った私は、お父さんが乗っているトラックにICレコーダーを仕掛けました。すると後日、お父さんと女性が会話している音声が録音されていたのです。車に乗り込むような音も記録されています」 (同)
私は録音されている音声を聞かせてもらいましたが、たしかに久雄さんと女性が会話をしているようではありますが、それはかすかに聞こえる程度で、しかも短時間で終わっていることから、双方の関係性を垣間見たり、ましてや情交現場の音声を記録したとは到底言い難いものでありました。
浮気相手は60歳半ばの年上の女性⁉
紅花さんが“不倫の証拠”だとする音声を聞くかぎりにおいては、「紅花さんの思い過ごしではないか…?」というのが私の見立てではあります。…続きは本誌に