─ 依頼者が刑事告訴も辞さない寸借詐欺女の悪の正体 ─
2020年01月27日
音信不通となった女性の住所地を割り出すも車はなく…
本誌2019年12月号のこのコーナーで、〈婚活サイトで出会った自称「33歳シングルマザー」の寸借詐欺疑惑〉と題した事件ファイルをお届けしました。この一件に関してその後、大きな動きがあったことから、本号では続編をお届けします。
下越地区在住の山口忠伸さん(仮名・34)は前妻と数年前に離婚して以降、二人のお子さんを男手ひとつで育てていらっしゃいます。お子さんはいずれも小学校低学年の男の子で、今が一番可愛い盛りです。
山口さんはそんな坊やたちに「優しいお母さんを見つけてあげたい!」との一心で婚活サイトに登録。そのサイトを通じて知り合ったのが自称“さ〇”という中学生と小学生の子供を持つシングルマザーでした。彼女いわく年齢は33歳とのことです。
二人は実際に会って食事をしながら、子育ての苦労話などを語り合ったといいます。二人ともひとり親であることから、お互いに共感する部分が多かったようで意気投合。また会う約束をして別れたとのことです。
ところがその翌日以降、彼女はラインを通じて以下のように、さらに突っ込んだ身の上話をしてきたのでした。
〈母子家庭で養育費とかももちろんなくて、誰も頼る人もいなくて…。中学生の子供の修学旅行の積立金が厳しい…〉
〈少年〇〇チームの月謝が厳しい〉
〈洗濯機も壊れている〉
といった具合に、自身の窮状を訴える内容です。
一方の山口さんは離婚前に組んだ住宅ローンの返済のほか、自身が目指している資格取得のための学費の工面などもあり、生活は決して楽ではありませんでした。とはいえ目の前で困っている人を見て見ぬふりができない性分とあって、かなり無理をして彼女にお金を貸してあげたといいます。
山口さんが説明します。
「彼女には計3回にわたってお金を貸しました。名目は修学旅行費の積み立てやエンストした車のバッテリー交換費用、さらには“母親から借りているお金を返したい”などというもので、総額は○○万円ほどになります。
二度も三度もお金を無心してくることから私も半信半疑になりましたが、“毎月給料日後に2万円ずつ返します”との彼女の言葉を信じて貸すことにしました。ところが3度目に20万円を渡すと、一度の返済もなくそれきり彼女と連絡が取れなくなってしまったのです」 (山口さん)
しかしながら山口さんは自称“さ〇”の住所はおろか、本名さえも聞いてはいませんでした。これでは督促のしようがありません。
こうしたことから山口さんは当調査事務所にご相談にいらしたわけですが、その時点での手掛かりは真実かどうかは不確実の、彼女が“かつて新潟駅近くのネイルサロンの店長をしていた”と話していたことや、彼女の乗っていた車が黒色の3代目オデッセイで、ナンバーが“新潟30×な21×2”であることなどです。
まるで雲を掴むような話ではありますが、いうまでもなく私たちは調査のプロです。極めて少ない情報を頼りに地道な草の根調査を続けた結果、彼女の関係箇所の住所地を割り出すことに成功したのでした。…続きは本誌に