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2025年12月5日

─ 恋愛と健康の密接な関係を示す現場と科学の二重証拠 ─

2025年09月26日

妻に浮気を察知された男性の分かりやすい行動の変化

 

探偵という職業柄、数多くの浮気調査を通じて主に男女の愛情問題を目の当たりにしてきました。夫婦間のすれ違い、不倫カップルの密会、そして新たな恋に心躍らせる瞬間など、人生の断面を飾る光景を毎日のように目撃し続けています。

 

もちろん浮気はいけませんが、私が強く確信しているのは「恋愛と健康は切っても切れない関係にある」という事実です。

 

人は恋をすると表情が変わりますし、歩き方も変わります。食事や生活リズムもしかりです。

 

私の仕事は調査対象者を日々観察し、微細な変化を見逃さないことにありますが、恋愛をしている当事者ほど分かりやすく変わる人はいません。

 

たとえば私が素行調査をした花巻修太さん(仮名・38)もその一人です。依頼者は妻の琉美さん(同・
35)で、夫の“異変”についてこう話します。

 

「最近、夫の帰宅時間が少しずつ遅くなり、服装やヘアスタイルにも気を配るようになったんです。もしかしたら好きな女の人でもいるのかな、と心配になりまして…」 (琉美さん)

 

琉美さんは感情をできる限り抑えながら、夫の近頃の変化についてこう続けます。

 

「ここ半年で、夫の顔色が本当に明るくなったんです。前は肩が前に落ちて猫背気味で、いかにも“疲れたオジサン”といった見た目だったのですが、最近は背筋が伸びて歩く速度もアップしました。

 

大好きだったラーメンも控えているようで、もしかしたらダイエットを意識しているのかもしれませ
ん。スーツのサイズも少し合わなくなったみたいで、“最近、少し体が軽くなった気がする”なんて言っていました」 (同)

 

調査の結果、花巻さんは職場の同僚の女性と男女関係にあることが判明しました。浮気はもちろんいけませんが、恋愛をして心がときめくことによって、人の表情や行動が大きく変わることは広く知られています。恋愛による高揚感が日々の生活において健康的な行動へとつながり、結果として体調が改善するのはごく当たり前のことのようです。

 

事実、米国での45歳以上の約28万人を対象とした追跡研究では、結婚している人は未婚の人に比べて心血管疾患による死亡リスクが女性で60%、男性で32%ほど低かったと報告されています。結婚や安定した恋愛関係が死亡率低下と密接に関係していることが示唆されているのです。

 

そのメカニズムについて簡単にご説明しますと、恋愛をしていると脳内でオキシトシンやバソプレッシンなどの社会的結合を促すホルモンが増加し、信頼や共感行動を促進。これらはストレスホルモンであるコルチゾールを軽減し、心血管や免疫系に良い影響を与えるのだそうです。

 

また関係の満足度が高く、相互の信頼と支援が得られている人ほどストレスホルモンの反応が穏やかで、炎症マーカーが低めに出るという知見もあるといいます。

 

恋人や配偶者の存在は単なる“同居人”ではなく、生理学的な保護因子として働く可能性が指摘されているのです。…続きは本誌で

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