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2024年10月22日

─ 妻の浮気調査がシロと出た男たちの苦悩と安堵 ─

2022年12月27日

「子供を保育園に預けて、妻は良からぬことを…」

配偶者の浮気を疑って当調査事務所に依頼された調査案件のうち、調査の結果がクロ、つまり浮気の事実が確認される割合は8割超に上ります。男女を問わずほとんどの調査依頼者がパートナーの不審な行動の変化に気付いて浮気を疑い始めるようですが、裏を返せば夫婦間における隠し事はそれだけ露見しやすいということなのかもしれません。

 

こうしたことから調査の結果、シロ(浮気の事実なし)と出るケースは全体から見れば非常に少ないのですが、先ごろ手掛けた調査案件で2件立て続けにシロと出るという珍しい経験をしました。私のこれまでの探偵生活の中でもそうそうなかったことかと思います。

 

1件目の調査依頼者は新潟市在住の会社員・鳥海貴信さん(仮名・33)。妻の美登里さん(同・30)の浮気を疑っている鳥海さんは以下のように話します。

 

「私と妻の間には1歳の長男がいますが、この子を産んでからほどなくして、私に対する妻の態度が冷たくなった気がするのです。いわゆる夫婦の営みは出産してからというもの疎らになってしまいましたし…。

 

それでも私は普通に生活をしていましたが、長男が1歳になって保育園に預けることになったのです。それを機に妻がパート勤めを始めたのですが…」 (鳥海さん)

 

そう話す鳥海さんの心にある疑念が生じたといいます。「もともと私は妻とのコミュニケーション不足に少なからず不満を抱いていたこともあって、“もしかしたら子供を保育園に預けている間に何か良からぬことをしているのではないか”と妻を疑っているのです」 (鳥海さん)

 

鳥海さん夫婦は週末になると1歳の長男を連れて親子3人で買い物などに出掛けるそうです。傍目には幸せを絵に描いたような家族にしか見えません。

 

しかし鳥海さんはこう話します。

「妻は平日に長男を保育園に預けて職場に行っているのですが、妻の仕事は不定期で、週のうち平日に2日ほど休みがあります。妻は仕事が休みの日に子供が保育園に行っている間、見知らぬ男と逢っているのではないかと心配しています」(同)

 

いうまでもなく鳥海さんは奥様の浮気を疑っているわけです。鳥海さんは会社員ですから、当然ながら奥様の日中の行動をつぶさに把握することは困難です。お子さんが2歳や3歳であれば、そろそろお話ができてお母さんの行動や様子をそれなりに聞き出すこともできるかもしれませんが、ご長男がまだ1歳ではそれもままなりません。

 

鳥海さんがキッパリ言います。

「私が疑心暗鬼のままでは遅かれ早かれ夫婦関係に決定的な亀裂が生じかねません。妻が浮気をしているのかどうか調べてください」 (同)

 

鳥海さんから正式に依頼を受けて、私たちは美登里さんの素行調査に着手しました。すると鳥海さんが抱く疑念とは裏腹に、私たち調査員は美登里さんの愛情あふれる子育てぶりを目の当たりにしたのでした。

 

鳥海さんは「仕事が休みの日に子供が保育園に行っている間、見知らぬ男と…」と疑っていましたが、実際のところ美登里さんは仕事が休みの日にはご長男を保育園には預けず、自身の手で献身的に子育てをしていたのです。自身の仕事の有無にかかわらず、リフレッシュや所用などのため保育園に子供を預ける母親が多い中、私は個人的にも美登里さんの熱心な育児に感心した次第です。しかしそのことを鳥海さんは知りませんでした。

 

私が調査結果をご報告すると、鳥海さんは安堵した表情でこう話しました。

「私は妻が仕事の日も休みの日も関係なく毎日、子供を保育園に預けているものとばかり思っていました。実際には休みの日には妻が直接子供の面倒を見てくれていたんですね…。それが客観的に分かって気持ちがラクになりました」 (同)

 

母親にとって育児は重労働そのもので、それに伴うストレスの大きさも並大抵ではないと聞きます。したがってお子さんが優先で、夫が二の次になったとしても、それは必ずしも浮気のサインではないということです。…続きは本誌で

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