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2024年04月24日

─“ お坊ちゃま探偵”の先輩O氏、相続税問題に悪戦苦闘する ─

2022年05月27日

お父様の急逝でにわかに浮上した相続税問題

お陰様でこの物語も150回目を迎えることができました。

 

前号でも触れましたが、最近のテレビは探偵ものの連続ドラマが花盛りです。しかし大方の探偵ドラマは、国家権力である警察を出し抜いて殺人事件の真犯人にたどり着いたり、銃弾がドンパチ飛び交う中で“あぶない刑事”ばりに命懸けで活躍したりといった具合に、現実離れしています。

 

中には現在放送中の『クロステイル~ 探偵教室~(フジテレビ系)』のように現実に則した探偵の姿を描いているドラマもありますが本来、探偵というものはドラマの主人公になるような格好いい職業ではありません。実際の仕事は体力と根気が勝負のとても地味なものなのです。

 

そもそもこのコーナーでも何度か公言していますが、探偵になる以前の20代前半の私は「カネなし、学歴なし、なにもなし」で、あるものといえば若さとやる気だけという青二才でした。

 

そんな私でも一念発起して探偵になり、なんとか30年続けてこられたのですから、個人的には「同業の探偵も私と似たり寄ったりで、カネなし、学歴なし…」が探偵の典型ではないかと高を括っていました。

 

もちろん、警察官から探偵になられた方もいらっしゃいますし、どんな世界にも異色の経歴の人物はいるものだとは存じますが…。

 

しかし―。意外にも私の身近に“お坊ちゃま探偵”がいたのです。今回はそんなお話をさせていただきます。

 

私には古くからお付き合いさせていただいている探偵O氏という心強い先輩がいます。関東圏を中心に日本中を股にかけて数々の調査を手掛けてきた大先輩です。

 

O 氏の年齢は60歳。このコーナーにも過去に何度が登場していただいていますが、直近の半年前にはご長男が交際相手の女性とデートを重ねているうちに、200万円もの借金をつくってしまったことから、親心で返済を肩代わりされた一件をご報告いたしました。

 

その先輩探偵O氏がまたしても新たな悩みを抱えていらっしゃるとか…。

 

O氏が話します。

「実は父親が急逝してしまってさ…。母親は4 年前に亡くなっているので、長男のオレは実家で女房と父親の面倒を見ていたんだよ。ちなみにオレの弟は学校の先生をしているからね。

 

父親はもともと農家の出なものだから、先祖代々そこそこ土地を持っていてね。コンビニに土地を貸したりしていて、それなりに収入があるんだわ。それで父親が亡くなったのが原因で、にわかに浮上したのが相続税問題さ。どうやって税金を払おうか頭を抱えているんだよ」 (O氏)

 

先輩O氏とは長い付き合いですが、私はO 氏のご自宅(実家)が豪邸だということを20年ほど前には知っておりました。たまたまO氏のご自宅にお邪魔することになり、その建物が農家特有の大きなお屋敷だったことから、それと知ったのです。

 

とはいえ新潟でもそうですが、農家といえば大きな日本家屋が一般的ですから、だからといって失礼ながらO氏の実家がそこまでお金持ちだとは思いませんでした。

 

しかしO氏の口から「相続税を納めるのが大変だ」と聞いたのをきっかけに、同氏の“お坊ちゃま”ぶりに驚愕したのです…。…続きは本誌で

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