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2022年01月28日

『機能性消化管障害について』

2021年11月27日

渡辺内科医院
渡邉 順 院長

 

■医師データ
渡邉順。獨協医科大学医学部卒。新潟大学医歯学総合病院、県立吉田病院、佐渡総合病院、長岡赤十字病院などを経て開業。

 

 

胸焼けや胃痛、胃もたれ、便通異常など、消化器系の症状が続いているにもかかわらず、内視鏡などで所見がないときには機能性消化管障害(以下FGID)の疑いがある。今回は、FGIDの主な疾患や治療などについて取り上げる。解説は渡辺内科医院の渡邉順院長にお願いした。

 

「FGIDの中には機能性ディスペプシア(以下FD)、非びらん性胃食道逆流症(以下NERD)、過敏性腸症候群(以下IBD)の3つがあります。

 

FDは、胃・十二指腸に起因する機能障害により出現する症状を主訴とすると定義される病態で、2013年3月に本邦では保険病名として認められた疾患概念です。FDの治療は消化器病薬による薬物療法が中心になります。具体的には、胃酸による内臓知覚過敏に対して胃酸分泌抑制薬、消化管運動障害に対しては消化管運動調節薬・改善薬が投与されます。ただ、胃酸がどの程度FDの病態に関与しているかは議論の分かれるところであり、また病態も複合的なことから、消化器病薬による治療効果に期待が持てない症例も少なくありません。

 

NERDは、胃食道逆流症の中のサブカテゴリーの1つで、内視鏡検査では明らかな食道粘膜異常が認められないにもかかわらず、胸焼けや呑酸、あるいは心窩部痛などの様々な症状を認められる疾患です。NERDの治療は、胃酸の逆流を防止することが一番ですので、胃酸分泌抑制薬が第一選択になります。わずかな胃酸分泌でも症状を起こす可能性がありますので、強力に酸分泌を抑制するプロトポンプ阻害薬が中心となります。欧米では手術する場合もありますが、要は逆流の防止を的確に行うことがポイントです。ただ、実際の治療現場では、こういった内服薬に抵抗
性のNERDも少なくありません。…続きは本誌

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