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2024年03月28日

─ まさか…夫の留守中に妻が自宅に浮気相手を連れ込む⁉ ─

2021年10月27日

夜勤に出掛けるご主人が奥さんの浮気を心配して…

 

過去に手掛けた調査案件の中には、決して記憶から消えることのない印象深い事案がいくつかあります。今回ご紹介する事件ファイルはその中のひとつです。

 

かれこれ20年ほど前の出来事でありますが、その時の場面が脳裏に焼き付いてしまい忘れることのできないエピソードです。

 

世の中には「ありそうで、なさそうな出来事」というものがあります。逆も真なりで、「なさそうで、ありそうな出来事」というものもありますが…。

 

浮気調査をする機会の多い私から申し上げますと、夫婦間の愛情問題においては、奥さんがご主人の留守中に浮気相手を自宅に連れ込む行為こそが「ありそうで、なさそう」もしくは「なさそうで、ありそう」な出来事といえます。

 

新潟市在住の刈谷正孝さん(仮名・42)が当調査事務所に相談に訪れて、悲痛な面持ちでこう話し始めました。

 

「実は妻が私の留守中に、家に男を連れ込んでいるようなのです…」 (刈谷さん)

 

その言葉を聞いた瞬間、当時まだ探偵業を始めて数年のキャリアの私は心の中で「まさか⁉」と思ったものです。実際のところそれまで手掛けた調査案件の中に、奥さんが浮気相手の男を自宅に連れ込んでいたなどという大胆極まりない事案はありませんでした。

 

しかしながら刈谷さんは以下のように続けます。

 

「少なくとも私の留守中に誰かが家に上がり込んでいるのは間違いありません。自分の家なのですから、室内のちょっとした変化は嫌でも気付きますよ。おそらくその人物は男に違いないと私は見当をつけています」 (同)

 

刈谷さんが何を根拠にそう確信しているのかは分かりませんでしたが、ご本人の強い希望もあって当調査事務所は調査を引き受けることにしました。

 

この相談が、主婦が自宅に浮気相手の男を連れ込むというケースでは、私が初めて手掛ける案件になりました。

 

刈谷さんは夜間に工場勤務をされているとのことで、午後7時半に家を出て、帰りは翌朝7時過ぎになるといいます。

 

一方、奥さんの遥香さん(同・36)は昼間パートのお仕事をしているほか、不透明な行動も散見されるそうですが、育児があるので夜間は家にいる必要があるそうです。

 

いずれにしても調査対象は奥さんということになりますから、私たち調査員は遥香さんの自宅においての定点調査を開始することにしました。

 

刈谷さんご夫婦は新潟市某所の県営住宅の3階に住んでいらっしゃいます。

 

刈谷さんからお借りした遥香さんのスナップ写真に目を落とすと、彼女は穏やかな表情をした細身の女性で、刈谷さんが疑っているような暴挙におよぶ“悪女”にはとても見えません。

 

刈谷さんがいいます。

「私はいつものとおり、午後7時半に家を出ますから、それ以降の妻の行動を監視してください。部屋には妻以外に4歳の子供がいますので、おそらく夜間に外出することはないでしょう」 (同)

 

私たち調査員は当夜、県営住宅の3階の一室にカメラの焦点を合わせて待機しました。

(果たして本当に男が現れるのだろうか?)

 

私は心の中で呟きました。…続きは本誌

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