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2020年10月25日

『潰瘍性大腸炎』

2020年09月26日

プラーカ中村クリニック
中村 隆人 氏

 

■医師データ
中村隆人。新潟大学医学部卒。県立新発田病院で研修。新潟大学医歯学総合病院、村上総合病院勤務を経て現職。

 

8年にわたる長期政権を築いた安倍晋三首相がこの9月に任期途中で首相を辞任したが、その理由の一つとして本人が挙げたのが、持病である潰瘍性大腸炎の再発だ。そこで今回は、この病気を取り上げる。解説はプラーカ中村クリニックの中村隆人医師にお願いした。

 

「潰瘍性大腸炎は自己免疫が何らかの原因で自分の大腸を攻撃し炎症を引き起こす病気です。自己免疫性肝炎、リウマチなどの自己免疫性疾患の大腸版です。

 

免疫がなぜ大腸を攻撃するのかは未だに解明されておらず、病因は不明です。20歳代での発症が多いとされていますが、幅広い年齢層で発症します。また、年々増加傾向にあり、もはや珍しい病気ではありません。当院でも以前にも増して診断する機会が増え、日本では現在18万人くらいが罹患していると考えられています。

 

主症状は下痢と血便で、いずれか片方という人もいます。腹痛を伴うこともしばしばです。皮膚や目など他の臓器に波及するケースもあります。

 

潰瘍性大腸炎の原因が解明されていない現在、根治療法は確立されていません。そこで、症状を抑え、再発を予防し、発がんを抑制する目的で、抗炎症作用薬による対症療法を行います。飲み薬が最も広く処方されていますが、注腸薬や坐剤も有効です。

 

通常の飲み薬は飲むことで有効成分を体に吸収させるというイメージですが、潰瘍性大腸炎の薬は飲んだのち大腸内に溶け出す様に設計されております。溶けだした薬が患部に直接染みわたっていく塗り薬の様なイメージです。…続きは本誌

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