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2024年05月5日

自治会崩壊で見せた新潟市の及び腰

2014年12月26日

地域住民で組織する自治会内でのトラブルはよくある話だが、これから紹介するのは自治会そのものが崩壊するという極めて珍しい事案だ。舞台となったのは新潟市東区桃山町にある市営団地。住民らの間からは新潟市の指導力不足を指摘する声も聞かれる。

 

突然の自治会長就任宣言

 

桃山町の市営団地に住む女性がいう。

 

「私は平成14年からこの団地に住んでいますが、入居した当時に町内会長を務めていた方は”町内会長の鑑”のような人で、自ら管理人になって団地内のさまざまなお世話をしてくれていました。

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その町内会長さんが平成18年1月に体調を崩して入院。入院前に別の入居者の方に町内会の帳簿など一式を預けたそうなのですが、町内会長さんにしてみれば元気になって帰ってくるつもりだったのでしょうね。しかし残念ながら2カ月後にお亡くなりになられたのです」

 

この市営団地には入居者すべてが会員となっている自治会が設置されていた。一戸建てと違って集合住宅の場合、玄関や廊下などの共有スペースにある照明の電気料金、あるいは共同水栓の水道料金などの支払いは基本的に入居者数に応じて頭割りとなる。

 

こうした料金支払いやゴミ置き場の清掃当番などを円滑に行うことを目的に自治会は設置されているのだ。ただし正式な名称は〈自治会〉だが、前出の女性が口にしているように入居者の間では”町内会”と呼ばれているようだ。

 

この女性が”町内会の異変”について話す。

 

「町内会長さんがお亡くなりになってまもなく、具体的には平成18年4月1日に入居する各世帯の郵便受けにワープロで書かれた文書が投函されていました。差出人は同じ団地の入居者で、〈私が町内会長になりました〉と書かれていたのです。

 

常識的に新たに町内会長を選出する際には総会を開くものですが、紙切れ一枚での”就任宣言”に強い違和感を覚えたものです」

 

ほどなくこの女性は新町内会長が主導する形で、新潟市に対して新たに自治会の設立届が提出されたことを知る。…続きは本誌にて

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