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2024年04月25日

『人工膝関節置換術』

2012年11月27日

塚田 幸行 氏

猫山宮尾病院

 

■医師データ
日本整形外科学会専門医。新潟中央病院などを経て、平成24年より猫山宮尾病院勤務。専門は膝・股関節の変形性関節症、特に人工関節置換術。

 

 

 

膝の軟骨がすり減ることで関節炎や変形が生じ、痛みなどが起こる変形性膝関節症。症状が進行したケースでは、人工関節置換術が唯一の根治術ともいわれている。そこで今回は、この手術を取り上げる。解説は猫山宮尾病院整形外科の塚田幸行医師にお願いした。

 

「病状が進行すると歩行困難に陥り、日常生活にも著しい制限を受けてしまうのが変形性膝関節症です。最も成績が安定した手術といわれているのが、変形した膝関節を人工関節と置き換える人工膝関節置換術です。この手術を一言でいうと、『膝の痛みを取る手術』ということになります。

 

この人工膝関節置換術ですが、メディアなどに『痛みが消え去り、何でも出来るようになる夢のような手術』と取り上げられることもありますが、実際は決して万能な手術というわけではないということをまずはご理解いただきたいです。この手術を受ければ正座が出来るようになるかというと、そんなことは殆どありません。トライアスロンなど激しい運動が出来るようになるかというと、そんなことも殆どありません。回復の具合やスピードも個人差があります。ですから、患者さんに過剰な期待を植え付けるのは禁物で、個人個人のライフスタイルに合わせたゴール設定をすることの方が重要になります。

 

趣味の山登りが出来なくなったので、もう一度、山登りが出来るようになりたいという人がいたら、それがその人のゴールになります。また、近所のスーパーマーケットに歩いて買い物に行けるようになりたいという人がいたら、それがその人のゴールになります。

 

患者さんの中には、医師に本音を話しづらいとか、希望を言いづらいという方もいらっしゃいます。そこで当院では、患者さんと接する時間がより長く、身近な存在である専任の看護師がそのお手伝いをいたします。『人工膝関節専門看護外来』を設け、そこで患者さんそれぞれの事情を聞き、その人に合わせたゴールを話し合っていきます。…続きは本誌にて

 

 

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