─ 埼玉在住の男性がJR新潟駅前界隈の 飲食店に通い詰めるワケ―
2026年10月27日
「仙台へ行く」のウソが高崎JCTでバレる
「夫は仙台へ出張に行くと言っているんですが、どうも新潟に行っているみたいなんです」
電話でそんな少し奇妙な相談を受けたのは一昨年夏のことでした。電話の主は埼玉県熊谷市在住の主婦・君島梨々花さん(仮名・27)。夫で自営業の翔太
さん(同・29)のLINEを見たところ、女性と親しげにやり取りしていることに気付いたといいます。
しかも相手は新潟在住。どうやらJR新潟駅近くのキャバクラに勤める女性らしいというのです。
翔太さんは仕事柄、営業車のキャラバンで仙台など東北方面へ出掛けることが多いといいます。だから「仙台に行ってくる」と言って家を出ても、それ自体は何も不自然ではありません。
ところが梨々花さんは、夫のスマートフォンの位置情報を確認しているうちに妙なことに気付きました。東北方面へ向かうなら、高崎JCTから北関東自動車道へ入り、岩舟JCTを経て東北自動車道へ進むルートがあります。
ところが翔太さんのキャラバンは、高崎JCTをそのまま関越道の新潟方面へ北上していったのです。
「所長さん、間違いありません。夫は新潟方面に向かっています」 (梨々花さん)
梨々花さんから電話連絡が入りました。
高速道路は浮気をしている男性にとって、ある意味で残酷です。一般道なら「ちょっと寄り道をした」でごまかせても、ジャンクションで方向を選べば目的
地はかなり絞られます。
「右へ行けば仕事、まっすぐ行けば女」とまでは申しませんが、この日の翔太さんにとって高崎J C Tは、奥様の梨々花さんついたウソと本当の目的地が分かれる、文字どおりの分岐点になりました。
私は梨々花さんと随時連絡を取り合い、翔太さんの車が湯沢IC付近に差し掛かったところで新潟市内における調査態勢を整えました。あとはキャラバンが新潟駅前に現れるのを待つだけです。
その夜、予想は的中しました。日付が変わる少し前、翔太さんのキャラバンは新潟駅近くのコインパーキングに入庫。車を降りた翔太さんは、慣れた足取り
で駅前の繁華街へと向かい、やがて一軒のキャバクラに入っていきました。
私たち調査員が注意深く監視していたのは、その後の翔太さんの足取りです。キャバクラが閉店後、意中の女性と一緒に店を出てホテルか車へ向かえば「ク
ロ」の証拠になります。
しかし待てど暮らせど決定的な場面は訪れません。翔太さんは朝まで店内で過ごしたものの、女性を連れて出てくることはありませんでした。
「今日は何もありませんでしたか…」 (梨々花さん)
報告を受けた梨々花さんの声には、安堵よりも落胆がにじんでいました。夫の浮気を疑って調査を依頼する妻は、「クロであってほしい」と願っているわけではありません。ただし、一度疑念が生まれると、白黒がつかない状態が最も苦しいのです。
それにしても埼玉県熊谷市から新潟まで、わざわざ何時間も車を走らせてキャバクラへ通うのです。単なる夜遊びなら埼玉にもいくらでも店はあるに違いありません。
探偵としての私の経験から申し上げますと、こういう場合は過去に何らかの“いい思い”をした可能性が考えられます。一度でも女性と親密になれた、店外
で会えた…そんな成功体験があると、男性は高速代やガソリン代をものともせず同じ場所へ通うことがあるのです。…続きは本誌で














