─ 社会学者が指摘する「夫の浮気と収入」の因果関係 ─
2025年01月27日
収入が多い男性ほど浮気をする可能性が高い
最近、「夫の収入が増えると浮気をする可能性が高まる」という、浮気においての経済学的な研究結果があることを耳にしました。探偵の私は長年にわたって浮気調査に携わっていますが、過去の調査案件を振り返りながら、そのあたりの因果関係
について考えてみたいと思います。
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社会学者の五十嵐彰氏が東北大学大学院文学研究科の大学院生だった2018年当時に執筆した論文を大変興味深く読ませ
ていただきました。タイトルは「誰が『不倫』をするのか」―。日本家族社会学会の機関誌「家族社会学研究」に掲載された投稿論文です。
それによると、男性は収入が増えるにつれて不倫をする可能性が高まるのだとか。五十嵐氏はその理由について、他の研究者の論文などを引用しながら以下のように述べています。
「不倫」といった秘密の関係を維持するには金銭的な手段が必要であり、高収入であればそれだけ維持をしやすくなる。加えて高収入はしばしば権力と結びつき、潜在的な「不倫」相手にとって魅力的に映ることとなる。〉
この論文を読んで、私は「なるほど…」と合点しました。私が手掛けた過去の調査案件を振り返っても、不貞行為におよんでいた夫が会社の経営者や自営業者など、お金持ちないしお金に不自由をしていない人たちであることが少なくないからです。
たしかに調査案件の中には、調査対象の男性が浮気相手の女性と“密会”する場所が毎回のようにインターネットカフェだったり、ホテルに行くことなく車の中での長時間の“車内デート”だったりということもありますが、これらの“節約デート”は極めて少数派です。
こうした男性たちは限られたお小遣いの中でやり繰りしながら、浮気相手の女性とデートをしているものと思われますが、多くの女性たちは本来このような“節約デート”は望んでいないことでしょう。
これとは対照的に、お金を持っている男性は女性ウケしそうなデートの選択肢をいくらでも持っていますから、必然的にモテるに違いありません。
数年前に新潟市在住の40代の奥様が当調査事務所を訪れ、涙ながらに私に語った言葉が思い出されます。
「夫は昇進してから、どこか変わってしまったんです」(40代主婦)
彼女のご主人は大手企業に勤める営業部長で、課長から部長に昇進したのを機に年収が大幅に増えたのだそうです。
「収入が増えたので、主人のお小遣いもそれまでの5万円から10万円に増額しました」(同)
しかしそれ以降、ご主人は夜遅くに帰宅する日が増え、休日にも急な外出をするようになったのだといいます。私たちが素行調査をした結果、ご主人は部下の若い女性と浮気をしていました。
前出の五十嵐氏は先の論文でこうも述べています。
〈既婚者向け出会いサイトであるAshley Madison の使用者に限定した分析では、収入が上がればそれだけサービスへの課金をする傾向にあることを示しており、収入は「不倫」相手を探す際の投資としても機能している。〉
不倫相手を探すにしても、先立つものはお金だというのです。…続きは本誌で