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2024年04月19日

『社会人のうつ』 関原 芳夫 氏

2012年05月29日

お元気でクリニック院長
関原 芳夫 氏

 

■医師データ

新潟大学医学部卒。同大脳神経外科入局。長岡赤十字病院、長岡中央総合病院、見附市立病院などを経て平成20年に開業。医学博士。

 

30代~40代の働き盛りのうつ病が増えているという。『ストレス社会の影響なのか、患者が増え続けている。現代病といえるのでは』と警鐘を鳴らすのは、お元気でクリニックの関原芳夫院長。そこで今回は、関原先生に、うつ病の原因や対処法などを解説してもらった。

 

 「うつ病によるとみられる自殺者は昨年だけで3万人以上です。この人数から察するに、うつ病患者は予備軍も含めると途方もない数といえるでしょう。交通事故による死亡者が年間で1万人ほどですから、うつ病がいかに多いか分かると思います。立派な現代病といえるでしょう。この自殺者数が示すとおり、うつ病は『死にたくなる病気』ですから、放っておくと命に関わる病気ともいえます。

 

とくに注意喚起したいのが、30代~40代くらいの働き盛りの人たちに、うつ病が増えているということです。原因は様々ですが、当院を受診される人たちの話を総合すると、仕事や人間関係などが影響していることが多いように感じます。30代では職場の人間関係の他、上司によるパワハラやセクハラ、希望していない仕事をさせられる、夫婦関係など。40代では職場のIT化についていけない、希望していないのに昇格して責任ある役職に就いた、仕事を辞めたいけど世情により辞められない、嫁姑関係などが多いようです。

 

こういったことで患者が増え続けているのに、地域の診療体制が整っていないという現状も問題です。多くの精神科医は、次から次へとやってくる患者の対応に追われるため、十分なカウンセリングの時間を取れません。5分くらい症状を聞いて、その症状を抑える薬を出して、次回の予約をして診察は終了です。

 

これでは何も解決しません。…続きは本誌にて

 

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