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2026年01月28日

新潟経営大学生が訴えた大学への不信感

2026年01月27日

本誌が前号で詳報した加茂暁星高校校舎の耐震不足問題。生徒の安心・安全、ひいては生命が脅かされかねない現状を伝えた。時を経ずして、同じ学校法人・加茂暁星学園(加茂市、阿部松雄理事長)が運営する新潟経営大学(杉山学学長)で、新たな火種が生まれている。大学と特任教授との間でパワハラ紛争が起きているというのだが、その影響は教員と法人・大学の関係を超え、大学生の学びの機会そのものに及んでいる。相次ぐトラブルの中で、学園は学生の「学び」をどう守ろうとしているのか。

 

ゼミの活動が止まり、
国際連携も宙づりに

 

新潟経営大学で、あるゼミが予定していた国際連携プログラムをめぐる学内トラブルが起きた。結果としてゼミの活動が十分に行えない期間が生じ、学生の学びの機会が損なわれた。

 

ゼミの活動は近年、就職活動における「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)として重視されている。「就活のガクチカにつながる」と県内の大学関係者も指摘する。たとえば、フィールドワークで地元企業と協働し、企業や地域の課題解決に取り組んだ成果をレポートや論文にまとめた経験は、就活で評価される場合がある。

 

大学側の判断や運営のあり方によって、もしゼミ活動の中核が失われるとすれば、それは学びの機会どころか、将来の就職のチャンスにも影響しかねない。

 

教育機関としては、極力避けるべき事態ではないだろうか。

 

事の発端は、2025年度に新潟県の補助事業として採択された、ベトナム・ホーチミン市のホンバン国際大学(HIU)との共同研究・教育プログラムだ。経営大の西村香介特任教授は、この共同研究を核に、学生ゼミを通じた国際交流と実践的な学びの場を設計した。学生たちは、ベトナムの学生と協力して商品開発を進め、マーケティングやパッケージデザインを学ぶ。そんな教育プログラムが動き出すはずだった。

 

ところが、このプロジェクトは途中で足踏みを強いられることになる。

西村氏によると、当初は前学長の判断のもと、MOU(協定書)は教授会・理事会の審議を要しない運用で進められていた。現在の杉山学長(当時は副学長)も、2025年5月から7月にかけて3回、関連稟議書に後閲・承認印を押している。HIUでは同年7月16日に調印式まで実施され、先方の副学長が署名。学園側は学長交代の都合で署名欄を空欄のまま持ち帰り、帰国後に署名する予定だったという。

しかし、杉山氏の学長就任後の同年7月30日、事態は急変する。法人事務局から西村氏に対し、「①リーガルチェックが学内で故意にはずされていた」、「②理事会承認が必要とされた」、「③有効期間5年を1年単位に見直したい」などの点を指摘する通知が届いた。これまでの手続きの前提が、突如として覆されたというのだ。

 

西村氏は指示に従い、同年8月18日に年次見直しを盛り込んだMOU改訂案などを提出。翌日には「8月26日の理事会で審議予定」との連絡を受けた。同日、西村氏が法人の事務局長に理事会の審議結果を電話で確認すると、「(杉山)学長に聞いてほしい」と返答されたという。そこで西村氏は杉山学長に対し、早期判断を求めるメールを送り、電話までかけたが、折り返しはなかった。その後3カ月以上、承認も否決も、明確な回答もないままだったと主張する。

 

こうした意思決定の停滞とコミュニケーション不全の結果、「共同研究とゼミ活動が事実上停止・大幅遅延し、参加学生の学修機会と国際交流機会の喪失が生じた」と西村氏は訴えている。…続きは本誌で

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