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2020年08月7日

前市長の置き土産 レストランバス事業の”超危うい話”

2020年06月26日

映画にもなった石川達三の『金環蝕』は、九頭竜川ダム汚職事件をモデルにしたという長編小説だ。皆既日食で月が太陽の中央を覆うと、太陽がリング状に輝いて金環のように見える。この現象を「金環食(蝕)」という。金環は美しいが、月の影となった太陽は闇のように黒い。前市長の時代、新潟市が外部団体に委託したレストランバスの事業だが、はなやかな外側とは裏腹に、内情はブラックホールのようだったらしい。

 

前市長のお気に入り事業

 

レストランバスは1階にキッチンが配備された2階建てのバス。本格的な食事を楽しみながら、観光スポットを巡るツアーが人気だった。その事業を新潟で企画、運営していたのが一般社団法人ピースキッチン新潟(新潟市中央区)。2016(平成28)年4月に設立された法人だが、昨年8月に自己破産した。負債総額は約7千7百万円だったという。

 

レストランバスの事業について、ある飲食店の関係者は懐疑的だった。

 

「食材原価に人件費、バスの償却費用に各種保険、ガソリン代、運転手の人件費等々、通常のレストラン以上のコストがかかることは目に見えています。一過性の話題づくりにはなったのかも知れないものの、初めから継続困難な企画だったと思います」

 

利益が望めない事業を話題づくりのために展開するには、そこに補助金など、公の資金を投入して実施する必要がある。一般社団法人ピースキッチン新潟の代表者は、新潟市の関連団体(外郭団体)、新潟観光コンベンション協会の事務局次長を務めた人物だった。

 

なぜこうしたレストランバスの事業を新潟で展開することになったのか。ネット上でピースキッチン新潟の代表者がインタビューに答えた記事が掲載されている。代表者だった人物は概略以下のように語っていた。

 

〈『ピースキッチン』という概念はプロジェクトデザイナー新田一馬さん(仮名、元大手広告代理店社員で、ピースキッチン新潟の役員だった)が提唱したもので(中略)、後に新潟市長が興味を示されて『新潟版のピースキッチンをやりましょう』とお声がけくださったんです〉

 

ここで登場するのは、現市長ではなく篠田昭前新潟市長のことだ。レストランバスは篠田前市長の「お気に入り事業」だったらしい。このレストランバス運行事業について、市議会6月定例会で深谷成信市議が一般質問で取り上げた。この事業の評価について、中原八一市長はこう答弁している(本誌で要約、以下市議会での質疑応答なども随時本誌で要約したもの)。

 

「レストランバス事業は、本市の魅力である食と農と地域資源を結び、食文化を通じて地域の魅力を一体的に体験できるガストロノミー(食道楽、美食学)の構築を目指すものです。

 

市が業務委託した昨年度までの3年間で、約3千名の方からご参加いただき、そのうち約3割は市外からの参加者で交流人口の拡大に寄与したほか、参加者の満足度は96%以上で、本市の魅力を再認識したとの声もいただき…」

 

中原市長の評価は高い。そのレストランバス事業だが、今年度は新型コロナウイルスの関係で中止となっている。

 

市が無登録業者へ委託

 

新潟市のレストランバスの事業は前市長時代の平成29(2017)年から、昨年まで3カ年継続して実施された。その合計の実績はツアー回数が162回、委託金額4千765万2千067円、参加人数2千980人だったという(市議会での農水部長の答弁より)。…続きは本誌

 

 

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