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2024年04月20日

『ばね指』

2019年07月26日

はすいけ整形外科院長
蓮池 尚文 氏

 

■医師データ
山形大学医学部卒。山形大学医学部付属病院整形外科入局。北里大学、酒田病院、三友堂病院、燕労災病院、山形大学付属病院などを経て平成20年に開業。

 

 

最初は指のつけ根の痛みや腫れから始まり、やがて曲げた指がバネのように勢いよく伸びるようになるばね指。さらに進行すると、曲げた指がロックされてなかなか戻らなくなることも。今回は悪化すると日常生活にも支障をきたすようになる、ばね指を取り上げる。

 

解説は、はすいけ整形外科の蓮池尚文院長にお願いした。

「ばね指は正式には弾発指といい、指の痛みや腫れの他、指の曲げ伸ばしに支障が出る疾患です。曲げた指を伸ばす際にバネが弾けるように勢いよく伸びるという特徴があり、その症状から一般的にばね指と呼ばれています。

 

指の内部には指を曲げる腱である屈筋腱と、指を伸ばす腱である伸筋腱があり、この2つの腱の動きで指の曲げ伸ばしが行われています。

 

その腱の通り道にあるトンネルのようなものが腱鞘で、その腱鞘の中を腱が通っています。腱と腱鞘が動くことで摩擦し、炎症が起こると腱鞘が腫れて腱の通り道が狭くなっていきます。そうなるとますます腱と腱鞘が摩擦して、さらに炎症が悪化していきます。この状態が腱鞘炎です(狭窄性腱鞘炎)。この摩擦はとくに指のつけ根の腱鞘と腱で起こりやすく、初期症状は指のつけ根の痛みや腫れなどです。

 

腱鞘の腫れが悪化すると腱が通りづらくなります。指は曲げる方の力が強いですから、指を強く曲げると腱がなんとか腱鞘を通過します。ただ、そこから戻らなくなり、指が曲がったままになります。やがてバネが弾かれたように勢いよく戻り、ばね指の特徴的な動きを示します(図①参照)。

 

治療ですが、初期のうちは腱鞘の腫れや炎症を抑えるぬり薬や貼り薬で対応します。これで炎症が治まれば症状は軽快します。…続きは本誌に

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