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2025年12月5日

クマから身を守る最善策は、クマ除け鈴&撃退スプレー

2025年11月27日

新潟県内でもクマの出没が各地で相次いでいる。新発田市では人身被害も発生、クマの危険はもはや生活と隣り合わせだ。山に入るときには熊よけ鈴が必携品となるが、その効果には賛否両論があるともいわれる。一般市民が実践できる現実的なクマ対策をリポートする。

 

熊よけ鈴は効果がある半面、若グマには逆効果!?

 

県内各地で連日、クマの出没情報が取り沙汰されている。これまでクマと遭遇する可能性があるのは山中とされてきたが、今やクマは住宅地やその裏山、学校近くの雑木林、さらには市街地の河川敷にまで姿を現すようになった。クマに襲われる危険は誰にでもあるといえる。

 

クマとの遭遇を避けるための最も古典的な対策が「熊よけ鈴」だ。山道を歩く際、腰やザックに付けて「チリン、チリン」と音を鳴らしておけば、クマが人間の存在に気付き、距離を取ってくれるという考え方が長く共有されてきた。

 

しかし近年、専門家の間からは「熊よけ鈴を過信してはならない」「若グマには逆効果になることもある」という意見も出ている。

 

若グマは一般的に警戒心があまりなく、好奇心が強いと言われる。特に生後1〜3年の若い個体は、鈴の音を不気味な刺激と捉えず、「何だろう?」と近づいてくる可能性があるという。この傾向は、近年増えている人に慣れたクマでも顕著だ。

 

長岡市の中山間地に住む男性が話す。

「人里に現れるクマの多くは、農作物や落ちた果実を求めて行動しており、かつての“人間イコール、危険”という図式が弱まっているようです。したがって人間の出す熊よけ鈴の音に対する警戒心も同時に薄れているといえます」 (70代男性)

 

もちろん、熊よけ鈴そのものが無意味というわけではない。深い山中にいる成獣のクマは鈴の音を聞いて遠ざかるケースが多いという。しかし、いかんせん鈴の音は小さくて単調だ。好奇心旺盛な若グマや腹を空かせて食べ物を探しているクマには、鈴の音は危険回避の信号としては不十分だともいわれている。

 

つまり熊よけ鈴は基本装備であっても、万能装備ではないことを頭に入れておく必要がある。このため山に入る際に推奨されるのが、熊よけ鈴に加えて声を出す、手を叩く、ホイッスルを吹くなどの変化のある音との併用だ。クマは音の種類や変化に敏感なため、単調音よりも人間の存在を強く認識しやすいという。…続きは本誌で

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