阿賀野地区で相次ぐ“怪しい”入札結果
2025年08月27日
2023年に発覚した県新発田地域振興局農村整備部発注の工事をめぐる官製談合事件は、同振興局の農村整備部長と入札参加業者の顧問ら2人が逮捕されたのを発端に、官民癒着の構図が次々と浮き彫りとなった。あれから2年が経過した現在、建設業界における談合はなくなったのだろうか? 最近の入札結果を見ると、根絶とは程遠い実態が見えてくる。
業界関係者は「県警はなぜ本丸に入らないのか?」
今から2年前の2023年、県警は県新発田地域振興局農村整備部発注の工事をめぐり、農村整備部長が入札参加業者に予定価格を事前に教えていたとして、官製談合防止法違反の疑いで農村整備部長と新発田市の岩村組の顧問ら2人を逮捕した。官製談合の舞台は新発田市の松浦地区における工事の入札だった。
さらに岩村組の顧問ら2人は胎内市の平木田柳原地区における工事の入札でも容疑が固まり再逮捕され、胎内市の小野組をはじめとする建設業者3社の役員らが逮捕された。
逮捕された顧問が籍を置いていた岩村組といえば、自民党県連幹事長の要職を務める岩村良一県議のファミリー企業としてつとに有名だ。
また、この顧問は岩村組だけでなく、阿賀野市の帆苅組の顧問も務めており、同社は現在、自民党県議団長や県土地改良事業連合会会長を務める帆苅謙治県議の親族企業として知られる。
岩村県議と帆苅県議はどちらも議長経験を有するベテランであり、帆苅県議も過去に自民党県連の幹事長を務めたことがある。そして帆苅組は官製談合事件の舞台となった松浦地区の工事の入札に指名されて、実際に応札していた。
事件発覚を受けて、当時の建設業界では農村整備部長、岩村組、さらに小野組をはじめとする3社の役員らが逮捕されたことから、「県警の次のターゲットは阿賀野地区で工事を取っている帆苅組だろう」との見方がもっぱらだった。
しかし実際には帆苅組の関係者が摘発されることはなく、県警の捜査は終結。このため建設業界では「帆苅県議が県土連会長の要職に就いているからなのか、それとも帆苅県議自身が元警察官なので県警も手心を加えたのか?」といった憶測も飛び交った。…続きは本誌で













