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2025年07月16日

〝進次郎米〟の放出でも懸念される庶民のコメ離れ

2025年06月27日

6月上旬、県内の一部スーパーでも政府備蓄米が並び始めた。開店前の朝早い時間から安価な備蓄米を目当てに長蛇の列ができたのはマスコミ報道のとおりだが、ある主婦は「ようやく5㌔2000円台のお米を買うことができました」と笑顔を見せた。果たして“令和のコメ騒動”の顛末やいかに。

 

備蓄米目当ての長蛇の列は一時のブームか?

 

「早ければ6月頭には棚に(5㌔)2000円台の今回の備蓄米が並んでいるという姿を実現できる可能性が出てきた」

 

就任早々、こう大見得を切った小泉進次郎農相だったが、蓋を開けてみればそのとおりとなった。決め手は政府備蓄米を従来の入札方式から随意契約で販売するという大きな方針転換だった。

 

それまで5㌔4600円台で店頭に並んでいたコメに対して、随意契約によって放出する備蓄米の店頭価格は同2000円台だ。文字どおり「異次元の低価格」であり、そのインパクトは絶大だ。

 

有言実行の小泉農相が自身の株を上げたのはいうまでもないが、巷では低価格で販売する備蓄米を新潟産ブランド米「新之助」ならぬ“進次郎米”と呼ぶ人もいるのだとか。

 

小泉農相の人気も相まって、“進次郎米”が店頭に並ぶと見るや数十分で完売するという事態がここしばらくは続きそうだ。

 

しかし、こうした異常ともいえる熱狂ぶりとは裏腹に、コメに関わる業界関係者は冷ややかな目を向けている。

 

関係筋が話す。

「今は珍しさもあって売れていますが、これはあくまでも一過性のものでしょう。 低価格の“進次郎米”が出回るようになってから、それまで品薄だった売り場の棚にコメが所狭しと並ぶようになったのは周知のとおりです。

 

現状は高値を維持していますが、売れなければいずれ値下げすることになります。そうなれば消費者の中には“コメなんてもっと安く買えるはず”と高を括る人も出てくることでしょう。すると結局、値段が元に戻った時にそっぽを向かれてしまうのです」(コメ販売業者)

 

この関係筋は「“進次郎米”を求めて長蛇の列をつくっているのは一部の人たちで、実のところ庶民のコメ離れはすでに始まっている」とみる。

 

背景にはコメの価格高騰だけではなく、物価高騰が根底にあるといえそうだ。

 

たとえば県内に12店舗を構えるラーメンチェーン「幸楽苑」は、開店時刻からして通常のラーメン店とは大きく異なる。平日は午前10時、土曜・日曜は午前9時に開店するのだ。

 

読者の中には「ラーメン店がそんなに早い時間に開店して客が入るのか?」と思う人もいるかもしれないが、店内は開店直後から大盛況だ。…続きは本誌で

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