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2025年05月23日

海外では使用禁止も! 制限されている食品添加物リスト

2025年04月27日

私たち日本人が日常的に口にしている食品の中には、海外では危険視されている添加物がごく当たり前のように使われているものがたくさんある事実をご存じだろうか? 発がん性や遺伝毒性、アレルギー誘発のリスク…。それらが私たちの健康にどのような影響をおよぼしうるのか、専門家の解説を交えながら検証する。

 

パンのふくらし粉に潜む発がん性のリスク

 

「これ、本当に日本では使用が許可されているの?」

1年間の米国留学を終えて帰国した大学生の娘が母親にこう尋ねたのだという。娘が手にしていたのは母親がスーパーで買ってきた食パンで、成分表示には「臭素酸カリウム」と記されている。どこか化学薬品を思わせるようなその響きに、母親も言い知れぬ不安を覚えたのだった。

 

食品添加物に詳しい関係筋が話す。

「臭素酸カリウムは、パンをふっくらと焼き上げるために使われる酸化剤です。小麦粉中のグルテンを強化し、発酵の際に生地の弾力を高めてくれます」(管理栄養士)

 

実際、臭素酸カリウムは製パン業界において、安定した品質を保つために長年使用されてきた。しかし問題は、その安全性にある。

 

この関係筋が続ける。

「国際がん研究機関(IARC)は臭素酸カリウムをグループ2B、つまり“ヒトに対して発がん性の可能性がある”に分類しています。動物実験では腎臓がんや甲状腺がんとの関連が報告されているのです。到底これを見過ごすことはできません」 (同)

 

臭素酸カリウムは米国やEU(欧州連合)、カナダなど多くの国々では、すでに使用禁止となっているという。これに対して日本では最終製品に残留しないことを条件に使用が認められているのだが、この関係筋は「残留検査の実態は業界任せで、監視の目は極めて甘いといわざるを得ません」と警告を発する。

 

次に紹介する二酸化チタンは食品に白さと光沢を与えるための着色料だ。日本では現在もキャンディー、ガム、ドレッシングなどに幅広く使用されているが、EUでは2022年8月に二酸化チタンを食品に添加することが全面的に禁止された。

 

この関係筋が説明する。

「欧州食品安全機関(EFSA)は2021年、二酸化チタンについて“遺伝毒性の懸念を排除できない”と評価しました。遺伝毒性とは、遺伝情報を担うDNAを変化させ、個体に悪影響をもたらす性質のことをいいます」 (同)

 

これに対してイギリスやカナダ、オーストラリアなどは「問題なし」としており、日本も2023年の内閣府食品安全委員会添加物専門調査会で「現在の知見からヒトの健康に安全上の懸念を示唆する根拠はなく、食品添加物として使用する程度の量であれば、特に問題ない」と結論付けて、従来どおり規制はしていない。

 

この関係筋がいう。

「各国によって見解は異なりますが、いずれにしても摂取のしすぎは避けたほうがいいでしょうね」  (同)…続きは本誌で

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