北海道の住宅メーカーが坂井建設を31億円で買収の衝撃!
2025年01月27日
「北海道の住宅メーカーが長岡市の同業者を31億円で買収」―。2024年の年の瀬に県内住宅業界に衝撃的な一報がもたらされた。買収された住宅メーカーは県内では5本の指に入る着工戸数を誇り、利益もしっかり出しているとあって、県内住宅業界の勢
力図を大きく塗り替える可能性も指摘されている。
29億円の創業者利益を手にした坂井建設一族
2024年12月16日、北海道帯広市に本社を置く株式会社ロゴスホールディングス(以下、ロゴスHD)は、長岡市に本社を置く坂井建設株式会社の全株式を取得し、子会社化することを発表した。
坂井建設は資本金2000万円。2023年12月期決算では売上高67億2500万円、経常利益3億6400万円、当期利益2億2700万円を計上している優良企業だ。
関係筋が話す。
「坂井建設は旧栃尾市を発祥の地とする住宅メーカーで、住宅商品のブランド名は『ディテールホーム』。5、6年前から新潟市内でも工事中の建物を頻繁に目にするようになりました。
同社のホームページによると、2023年の引き渡し棟数は207棟。おそらく県内では5本の指に入る販売棟数だと思われます」(住宅業界関係者)
坂井建設の2023年12月期の純資産は10億4600万円。ロゴスHDは坂井建設が発行する全株式4万株を29億4100万円で取得し、同社を子会社化した。このほかアドバイザリー費用等の名目で1億7800万円が計上されていることから、M&A(企業の合併・買収)を専門とする仲介業者が橋渡ししたものとみられる。
関係筋が続ける。
「ロゴスHDが純資産10億円の坂井建設を29億円で買収したのは、坂井建設にそれだけ高い収益力があるからですよ。ロゴスHDは坂井建設がこのまま順調に営業を続けていれば、差額の19億円を容易に回収できると踏んだからこそ、この値を付けたに違いありません」 (同)
読者の中には、坂井建設のような高収益企業がなぜ同業者の傘下に入る、つまり経営権をなぜ譲渡するに至ったのかと疑問を抱く向きもあるかもしれない。
この関係筋はこうした見方について、「別に不思議なことではありません」といって以下のように続ける。
「一昔前には会社が買収されると身売りをしたかのようにマイナスイメージを持つ人がたくさんいましたが、今はまったくその逆です。M & A が盛んな昨今は儲かっている会社でなければ、そもそも買収しようと考える企業は現れません。裏を返せば、現在のM&A市場では儲かっていない企業をわざわざ買収するケースは皆無です」
別の関係筋は端的にこういう。
「株式を上場することなく29億円もの創業者利益を手にした坂井建設の経営者が羨ましいかぎりです」(別の住宅業界関係者)…続きは本誌で