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2024年06月12日

県、新潟市 報道発表に表れた初動の混乱

2024年02月27日

新潟地震から60年、中越地震から20年の今年。その幕開けの元日1月1日午後4時10分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7・6、最大震度7を記録する能登半島地震が発生した。新潟市中央区では震度5強の揺れを観測。そこから始まった初動の一部に「県、新潟市の混乱」がうかがえたという。

 

中央区の自治会関係者がこう言う。

「災害では町内会レベルと同様、国、県、市の連携した対応が必要になります。被害に直結した話ではないので見過ごされがちかもしれませんが、今後のために検証していただきたい、いくつかの点があります」

 

この自治会関係者がまず指摘するのは、国、県、市の連携に関することだ。

「刻々と変化する避難者や避難所の数などについて、市町村は県に報告し、県は国に報告することになっていて、政令市の新潟も同様です。この部分に関して、県、市の連携ができていたのか疑問です」 (同)

 

この自治会関係者が指摘するのは、県、新潟市災害対策本部が発表した報道資料の違いについてだ(写真)。県の資料は1月1日20時00分発表の第1報、市の資料は18時30分発表の第1報。県の資料には新潟市を含む県内各自治体の、新潟市の資料には同市内の、それぞれ避難所の開設数と避難者の数が掲載してある。

 

県危機対策課でも、こうした数字については「新潟市を含む県内の市町村が県に報告することになっている」という。県の20時00分発表の資料を見ると、新潟市の欄は「確認中」とある。だが同市が18時30分に発表した資料では、市内の避難所は合計120箇所、避難者は10286人となっている。

 

前出の自治会関係者は、「新潟市が県への報告を怠ったため、県の資料で新潟市の欄が確認中になっていたのでは」と指摘している。

 

県の危機対策課では、「県で20時00分発表の資料を作成する段階で、新潟市側の数字が整っていなかったため、新潟市について確認中となった可能性もある」としている。

 

理屈からすれば18時30分に新潟市で「避難所120箇所、避難者10286人」を確認していたなら、県の20時00分の資料には、新潟市の欄にそれなりの数字が記載されてしかるべきだ。「やはり新潟市は県への報告を怠ったのか」とも思える。だが理屈どおりにな
らないのが災害であり、特にその初動時だ。

 

新潟市だけを「報告を怠ったのでは」と責めるのは気の毒だ。県の資料を見ると、長岡、新発田なども同様に「確認中」となっている。例えば長岡市の発表では、新潟市と同様の18時30分現在で避難所数は143箇所、避難者は570人となっている。だが県による20時の資料では、前述のとおり、新潟市と同様に「確認中」だ。

 

新潟市災害対策本部に、「なぜ県の20時発表資料で新潟の避難所や避難者の数が『確認中』となったのか」と尋ねてみた。

 

「結論から言えば不明です。この段階ではまだ混乱していました」 (新潟市対策本部)

 

県も市も、数字の辻褄合わせよりもっと大事なことに注力していたはず。数字の食い違いなど顧みる暇もなかったに違いない。

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