長岡市「米百俵プレイス」の闇
2024年01月28日
昨年7月、長岡市では「「米百俵プレイス」 ミライエ長岡」がオープン。「ミライエ」は「人づくりと産業振興を総がかりで支える拠点」、「現代版国漢学校」などとも称される。「米百俵」の名が示すとおり、長岡のシンボルともなるべき同市の看板施設だ。だが昨年、「米百俵プレイス東館建築工事」の入札が3連続で不調、不落のため「取りやめ」になるなど、同市の暗部を物語る象徴ともなってしまった。
胸を張る担当副市長
昨年7月22日、JR長岡駅前の大手通りに面した一画に、「米百票プレイス ミライエ長岡」が華々しくオープンした。旧北越銀行本店や旧大和、長岡商工会議所などがあった「大手通坂之上町地区」では、市街地の再開発事業が行われている。この再開発事業で建設された「米百俵プレイス西館」に、長岡市が整備した「人づくり・学び・交流エリア」が「ミライエ」だ。その名称は市内外から
の応募によって決定された。
新しく誕生した「西館」は10階建てで、第四北越銀行が1、2階と、6階から10階までを取得。市立図書館の互尊文庫などが入る「ミライエ長岡」は3階から5階部分で、イノベーションサロン、コワーキングスペース、ものづくりラボなどがある。
昨年12月の市議会で、再開発事業などを担当する高見真二副市長は、こう言って胸を張った。
「米百俵プレイス ミライエ長岡は、7月の西館開館以来、既に16万人を超える来館者を迎えております」
「子どもから学生、若者、お年寄り、産業人たちがミライエの快適な空間を共有し、活用しつつある様子がうかがえます。将来、長岡に誇りと愛着を持って貢献してくれる人材が育つ場として、既に成果を発揮し始めていると実感するところです」
この再開発事業では4つの街区が整備される。信濃川に架かる大手大橋寄りの西側が「A─1街区」で、既に分譲を開始しているマンションの「プレミスト大手通」。そしてその東側、長岡駅寄りが昨年オープンした「A─2街区」の「米百俵プレイス西館」。その北側に位置するのが「C街区」で、駐車場と医療の複合施設、「米百俵プレイス北館」だ。昨年10 月、同館1階に新しく「エールホームクリニック長岡」がオープンした。
唯一、令和7(2025)年度にオープンを予定していたのが、最も長岡駅寄りに位置する「B街区」の「米百俵プレイス東館」。旧北越銀行本店の建物を全面的に改修し、長岡商工会議所や市の商工部などが入る予定だ。この「東館」の建築工事に関する入札が、昨年3連続で「取りやめ」になっていた。そのため令和7年度中とされた「東館」のオープンは、令和8(2026)年度にずれ込まざるを得なくなった。…続きは本誌で