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2024年05月14日

続報・阿賀町役場職員6千万円着服事件 町は告訴準備中

2023年07月27日

6月3日に阿賀町が記者会見で職員による公金着服事件を公表して2カ月が経過する。この間、同町は同月21日に確定された被害額や当該職員の実名などを公表。その後、7月18日付で町は町民に向けた説明文書を全戸配布した。この文書により新しく判明したこともあれば、未だ未解明な謎の部分も多い。同町では既に告訴状の作成を弁護士に依頼済みだという。

 

10年6カ月で191回

 

ある阿賀町の町民はこう言った。同町で発生した公金着服事件の当事者についてだ。

 

「目立たない女性だったんで、事情はさっぱりわかりません。派手な人だったら噂は耳に入ったのでしょうが…」

 

6月3日のことだった。阿賀町の神田一秋町長らが記者会見し、同町の職員が「水道事業会計の公金、6千6百万円を着服していた」と発表した。当該職員からの申し出で、事件は5月29日に発覚したという。

 

冒頭の話は記者会見後、、報道によって今回の事件が広く知られるようになった頃のもの。人口が1万を切るような町の役場で、しかも「水道事業会計」と言えば、該当する職員はほぼ特定されてしまう。着服事件を起こしたのが女性職員であることなど、記者会見では伏せられていたが、町内ではほとんど知られていた。

 

その後、阿賀町では6月21日の「報道資料」で、当該職員が建設課に在籍していた45歳の庄司理恵主事だったこと、同日付で同主事を懲戒免職にしたことなどを改めて発表した。この「報道資料」によれば、着服期間は平成24年10月から令和5年3月までの10年6カ月で、着服は少なくとも191回あったとされている。

 

6月3日の発表時、「6千6百万円」とされた横領金額は、66,963,277円とされ、元職員側が6月1日に町の口座に入金した6千6百万円との差額、963,277円については、〈早期の返還を求めていく〉とされた。その後、6月22日にこの額が元職員の親族から町の口座に振り込まれている。

 

 

7月18日、阿賀町では「阿賀町水道事業会計に係る横領事件について」と題する4頁の文書を町内全戸に配布した。この文書によれば、〈(当該元職員は)ほぼ毎月数回、小切手を銀行の窓口で現金化し、着服を繰り返した〉という。「隠ぺい方法」は以下のようだった。

 

〈水道事業会計が建設課内で完結する仕組みの中で、会計を担当する元職員は、銀行から届く預金受払報告書(日報)の預金残高欄に、自ら着服した金額を上乗せして偽造し、上司への報告及び監査報告に使用した〉(全戸配布された文書より)

 

小切手の金額を水増しして現金化し、それを着服していた。〈建設課長は、職務である水道事業会計の預金通帳、小切手帳、公印の管理、通帳の残高確認をせず、会計処理すべてを元職員一人に任せていた〉(同)

 

この事件に関し、指導、監督等を怠っていたとして、建設課長や課長補佐らが減給処分の対象となった。神田一秋町長については、月額給料の30 %を3カ月カットすることが6月の町議会で承認されている。…続きは本誌で

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