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2024年04月20日

議長辞任の小島隆県議 隠ぺい工作に使われた後援会収支報告書の中身

2023年02月27日

「県政に汚点を残した」と言っても過言ではあるまい。ちょうど100代目の小島隆県会議長が書類送検され、辞任を余儀なくされた。「虚偽の申告をして、公金である政務活動費120万円を騙し取った疑いがある」という。まさに前代未聞の出来事だ。「あの時こうしていれば、こんな事態にはならなかったかも…」と思える局面が何度かあったのだが。

 

受理から2年で「議長辞任」へ

 

2月17、18日の両日、大手地元紙の1面はセンセーショナルだった。トップを飾った見出しは以下のよう。17日が「小島県会議長を書類送検 県警 政活費120万円詐取疑い」、18日が「小島県会議長辞任へ 政活費詐取疑い 引退の意向」。

 

3年前の12月25日、新潟市民オンブズマンが小島隆県議(自民、新潟市中央区)を詐欺と政治資金規正法違反の容疑で新潟県警に刑事告発した。このうち詐欺は政務活動費(政活費)に関するもの。政活費は月額報酬や期末手当とは別に支給され、月額は県議1人当たり26万4千円(現在15%減額中)だ。

(県議の月額報酬は議員79万2千円 期末手当は年2回、合計3・30月分。いずれも10%減額中)

 

政活費は議員の調査研究活動や資料作成などの費用、あるいは事務所費や人件費などに充当される。告発されたのは人件費についてだった。小島県議は政活費の一部を「事務所に勤務する秘書の人権費として支払っていた」と報告していた。

 

その支払い先が小島県議の事務所に平成27(2015)年9月から同31(2019)年4月まで常勤の秘書として勤務していた鈴木紀雄氏。だが実際のところ、同氏に支払われてはいなかった。これが「他人を騙して、金品などを奪ったり損害を与えたりする行為」、即ち詐欺とされ告発された。

 

政治資金規正法違反に関する告発内容は以下のよう。鈴木氏の給料は聖籠町にあった水産加工会社で小島県議の支援企業、近藤商店(一昨年12月に破産開始決定)が肩代わりして支払っていた。月額は約35万円(手取り)。小島県議はこのうち19万5千円を鈴木氏から〈上納させていた〉という。その金額はトータルで838万5千円に上った。

(小島県議側は、鈴木氏の自由意思による寄附で、合計額も違うと主張しているが、それらについては後述する)

 

後に小島県議側ではこの「上納金」の一部を「鈴木氏が政治団体である小島たかし後援会に寄附した」として処理していた(後述)。告発側ではそれが政治資金規正法で定める個人から政治団体に対する寄附の上限額、年間150万円を超えると判断。同法違反でも告発した。

 

県警が市民オンブズマンの告発を受理したのが2年前の2月18日。〈迅速な捜査のため政治資金規正法部分は取り下げました〉(告発側、さいとうゆたか(斎藤裕)弁護士事務所のウェブサイトより)とされ、詐欺事件としての受理だった。

 

そして今年2月16 日、県警が県議会の小島隆議長(当時)を詐欺の疑いで書類送検したことが判明。「虚偽の内容を記した政務活動費の収支報告書などを県議会事務局に提出し、平成27年度から同29年度分の政務活動費、合わせて約120万円を騙し取った疑いがある」とされた。

 

そして前述のように2月18 日、地元紙が朝刊の1面で「小島県会議長 辞任へ」と報じた。県警が告発を受理してから、まさしく2年後のことだった。…続きは本誌で

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