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2024年04月25日

『糖尿病の オーダーメイド治療』

2022年06月27日

たけうち内科クリニック
竹内 亮 氏

 

■医師データ
竹内亮。佐賀大学医学部卒。新潟大学医歯学総合病院、新潟医療センター、新潟市民病院などを経て開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内科学会認定内科医他。

 

 

 

日本人の糖尿病は予備軍も含めると2200万人を超えるという。現代病というより国民病に近い深刻な状況だ。そこで今回は、糖尿病のオーダーメイド治療について取り上げる。解説はたけうち内科クリニックの竹内亮院長にお願いした。

 

「糖尿病と一口に言っても、その状態は人によって千差万別です。ですから治療自体は画一的なものではなく、患者さんそれぞれに適したオーダーメイド的なものが求められます。血液検査や尿検査などで患者さんの状態を把握し、さらには仕事内容や生活習慣などを考慮して、その患者さんに適した治療計画を策定します。

 

治療の基本は食事療法で、これはどの状態の患者さんでも変わりません。食事療法をベースに、運動療法や薬物療法などを組み合わせてプランをつくることになります。

 

例えば、朝昼晩3食しっかり食べる人と朝食を抜く人では食事療法のプランが違ってきます。太っている人とやせている人でも違ってきます。仕事などで日常的に体の活動量が多い人とデスクワーク中心でほとんど体を動かさない人でもプランは違ってきます。それぞれの仕事内容や生活習慣、社会的背景、価値観などを詳しく聞き取り、その人に合ったプランの策定が肝要になります。

 

また、高血圧は脳卒中や心筋梗塞、糖尿病腎症など合併症のリスクになりますから、高血圧の原因の一つである塩分摂取量も管理の対象になります。尿検査のナトリウムや身長、体重などから一日の塩分摂取量が推定できますから、多すぎる人には少し控えていただくようにお願いするとともに、日常でもコンビニのおにぎりやお弁当などには塩分量が記されていますので、なるべく意識するように注意喚起を行います。

 

糖尿病予備軍の人たちは食事療法や運動療法を継続し、状態を維持していただければいいのですが、完全に糖尿病と診断された人たちは食事療法に加えて、薬物治療が必要になるケースがあります。ただし、状態によって薬物療法は異なります。

 

例えば、空腹時血糖が200で糖尿病と診断された方でも、検査ですい臓から十分なインスリンが分泌されていることが分かれば食事療法や運動療法、飲み薬などで対応することがあります。逆に空腹時血糖150でも、すい臓からインスリンがほとんど分泌されていないことが分かれば、インスリンによる治療が必要になります。

 

例えば、空腹時血糖が200で糖尿病と診断された方でも、検査ですい臓から十分なインスリンが分泌されていることが分かれば食事療法や運動療法、飲み薬などで対応することがあります。逆に空腹時血糖150でも、すい臓からインスリンがほとんど分泌されていないことが分かれば、インスリンによる治療が必要になります。…続きは本誌で

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