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2024年10月4日

三叉神経痛

2021年04月27日

ペイシアガーデンクリニック
川口 正 氏

 

■医師データ
川口正。新潟大学医学部卒。脳神経外科入局。新潟大学医歯学総合病院、長岡赤十字病院などを経て現職。

 

突発的に、顔の片側に激しい痛みが走る三叉神経痛。強い痛みのため、QOLが著しく低下する。今回はこの三叉神経痛を取り上げる。解説はペイシアガーデンクリニックの川口正院長にお願いした。

 

「三叉神経は顔の感覚を支配している神経です。この神経は脳幹から神経の繊維を出し、脳槽を通ってテントと呼ばれる構造の中に入っていき、そこから3本の大きな枝を出します。その3本の大きな枝が三叉神経です。

 

三叉神経痛はこの神経が血管や腫瘍などの圧迫により刺激され、顔の片側に強い痛みを引き起こす病気です。痛みは食事や洗顔、風にあたるなどで誘発され、食事や会話ができなくなることもあります。この激しい痛みは“電撃痛”と表現されています。

 

三叉神経痛は3本の神経のうち、どの神経が圧迫されているかによって痛みの出る部位が異なります。痛みは必ず顔の片側で起こり、3枝のうちの第1枝であればおでこから眼、第2枝では鼻の脇から頬、第3枝では顎の周囲から歯茎にかけて痛みが出ます。多くは第2+3枝です。

 

この病気の厄介なところは、原因がわからずに適切ではない治療を続け、改善せずに長い間苦しむ人が多いことです。というのも、三叉神経痛は脳の病気であるにもかかわらず、眼の付近の痛みでは眼科、鼻の付近では耳鼻咽喉科、頬や口元付近の痛みであれば歯科を受診する人がほとんどだからです。この病気は脳神経外科か神経内科の専門医以外には診断が難しく、他科でこの病気の知識を持っている医師がまだ少ないのが現状です。そのため、これらの科を受診した人は異常なしと診断されたり、たまたま副鼻腔炎や虫歯があった人はその治療をされ、三叉神経痛の治療は何らなされないということになります。…続きは本誌

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