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2025年12月5日

妙高リゾート開発計画を進める外資系企業の本当の狙い

2025年07月27日

2023年11月に妙高杉ノ原スキー場を外資系企業が買収したとのニュースは、地元に大きな波紋を広げた。総額2000億円を投じるリゾート開発計画を打ち出しているとあって、地元関係者の間で期待と不安が交錯する一方で、「本当の狙いは何なのか?」と訝る向きもある。

 

ケン・チャン氏と入村明前市長の親交の深さ

 

西武ホールディングスは2023年11月、保有していた妙高杉ノ原スキー場をシンガポールに本拠を置く外資系投資企業「ペンシャンス・キャピタル・グループ(PCG)」に売却した。

 

PCGの創業者で最高経営責任者を務めるのは、華僑出身の投資家ケン・チャン・ウェイ氏。同氏の日本における不動産投資の実績は20年を超えるとされ、地方都市のホテルやスキー場への投資でも知られる人物だ。

 

地元の関係筋が話す。

「PCGは妙高杉ノ原スキー場の買収を機に、総額2000億円を投じて一体的なリゾート開発計画を進めるとしています。金額の大きさだけを見れば地域振興に見えるかもしれませんが、果たしてそれを真に受けていいものかどうか…」(宿泊施設を経営する50代男性)

 

この関係筋はケン・チャン氏によるリゾート開発計画を歓迎しながらも、同時にその裏に隠された狙いがあるのではないかと警戒する。

 

この関係筋が続ける。

「妙高池の平温泉地区の『いもり池』のほとりに、かつて簡保の宿がありましたが、郵政民営化に伴い売りに出された旧施設をPCGが買収して2021年、装いも新たに『ライムリゾート妙高』が開業しました。大規模なリノベーションを経て、モダンな高級リゾート施設として再出発したのです。

 

また、すぐ近くに位置する環境省の『いもり池ビジターセンター』の指定管理者もケン・チャン氏が経営する関連会社が務めています。施設内には地域の自然を紹介する展示物が並んでいますが、外資系企業が環境保全をPRする公的施設の指定管理者になるというのは、どう考えても違和感があります。地元のNPO法人も手を挙げていたのに、なぜケン・チャン氏の会社が選ばれたのか?」 (同)

 

地元関係者の間ではケン・チャン氏と妙高市の入村明前市長との蜜月を指摘する向きが少なくない。

 

地元の別の関係筋が話す。
「入村前市長は不動産開発に長けた人で、在任中には観光振興を旗印に多くの開発案件を市内に誘致してきました。そのひとつがケン・チャン氏による大型リゾート開発です」 (妙高市議会関係者)

 

入村前市長とケン・チャン氏の親交の深さは地元関係者の間ではつとに有名だという。…続きは本誌で

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