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2024年12月11日

小柳建設 特損27億円計上の真相

2023年02月27日

加茂市で創業し、現在は三条市に本社がある小柳建設(小柳卓蔵社長)。最近では建設業のデジタル変革(DX、デジタルトランスフォーメーション)を積極推進する企業として知られる。売上規模で約60億円の同社だが、昨年5月期の決算で約27億円という巨額の特別損失を計上した。建設業界でも話題沸騰だったが、いったい何があったのか?

 

話題の特損、約27億円

 

小柳建設は1945(昭和20)年の創業。県内では中堅どころの建設会社だ。これまで河川や湖沼の土砂を取り除く浚渫技術などで注目されてきた。2014年、3代目の小柳卓蔵氏が32歳で社長に就任。社内改革に取り組んでいることで知られる。

 

特に建設業のデジタル変革(DX、デジタルトランスフォーメーション)を推進。2016年に日本マイクロソフトと共同で、M R(Mixed Reality、複合現実)技術を使い、建造物の3Dモデル・CADデータなどを空間に投影するシステム「ホロストラクション(Holostruction)」のプロジェクトをスタートさせ、実用化を達成した。

 

このシステムでは専用ゴーグルを装着すると、目の前に3次元の仮想映像が映し出される。CADで作成した建築物の設計データを仮想映像として映すだけでなく、例えば時間軸を示すバーを動かすと、更地から建物が作られる過程を見ることもできる。

 

建設業のイメージを覆しつつある小柳建設だが、昨年5月期(第64期)の決算が同業他社の間で話題になった。

 

「売上高は60億円ほどで、営業利益、経常利益も黒字なのだが、特別損失(特損)としておよそ27億円が計上されていた。その説明として有価証券売却損、要するに株で損をしたと説明があったが、いったい何があったのか」(新潟市内の建設業者)

 

建設業者の決算書類は県庁の土木部、または国交省北陸地方整備局の建政部で閲覧できる。小柳建設の昨年5月期(第64期)決算で、その「事業報告書」にはこうあった。

 

〈64期は前期より公共工事及び民間工事の完成工事高は減少しました。利益面に関しても前期を下回りました。(中略)建設業界の中でも率先してIT化を進め、先端技術を提供すべく日夜研究を進めています。

 

また、社内にあっては社員のベクトルを合わせ、個々の技術力の向上とさらなる原価管理の徹底及び合理化に努め業績の安定化を図ります〉

 

「27億円の特損」について、直接お尋ねしてみるしかないらしい。…続きは本誌で

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