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2024年10月4日

故安倍元首相 最後の訴えとなった上越市での演説

2022年07月27日

参院選の最終盤を迎えた7月8日、安倍晋三元首相は凶弾に倒れた。同元首相の本県入りは6月23日、上越市と糸魚川市で行われた街頭演説会が最後となった。この日の演説では、いつものように聴衆を笑わせ、「国を守り抜くこと」を強調する元首相の姿があった(一部敬称略)。

 

6月23日は参院選が公示された翌日だった。この日、自民党の小林一大候補の応援に、安倍晋三元首相が新潟入りした。同元首相による街頭演説会は16時40分から上越文化会館のレンガ広場、18時15分からJR糸魚川駅前と、2カ所で行われた。

 

衆院6区の上越市や糸魚川市は先代から続く髙鳥修一衆院議員の地盤だ。自民党県連の会長を務める同議員だが、昨年の衆院選では選挙区で立憲民主の梅谷守に全国最少の130票差で敗れ、比例で復活当選した。

 

その髙鳥議員は自民党でも安倍元首相が会長を務めた清和政策研究会(安倍派)に所属している。

 

「安倍さんは小林(一大)さんのことをずいぶんかっていましたよ」 (髙鳥衆院議員)

 

この日の街頭演説会は参院選の小林候補にとって上越エリアでの出陣式に相当するもの。6区の有権者には、衆院選のたびごと髙鳥支援で選挙区入りする安倍元首相は、県内のどこより身近な存在だったようだ。

 

この街頭演説から2週間余、安倍元首相が凶弾に倒れるなど、誰も夢想だにしなかったはず。同元首相のツイッターは7月下旬でも公開されていて閲覧可能だった。亡くなる前日の7月8日で更新が途絶えたツイッターで、6月23日の投稿は以下のよう。

 

〈小林一大候補の応援に上越市と糸魚川市に参りました。県議時代に11本の条例を提案した政策マン。100キロウルトラマラソンを完走したタフなお父さん(お子さん四人)国家観を共有できる小林候補を応援します。宜しくお願いします〉

 

この投稿とともに、糸魚川市で行われた街頭演説会の動画がアップされている。同市、そして上越市で行われた街頭演説会が、安倍元首相が本県に残した最後の足跡となった。このツイッターだが約260万フォロアー、岡山市での遊説を伝えた7月8日の投稿は3・9万回のリツイート(拡散、共有)となっている。

 

安倍元首相による上越での街頭演説では、「岸田総理と私は同期当選。同期で一番の男前は岸田文雄。そして一番性格がいいのは安倍晋三と言われていたんです」と、笑いを誘った。

 

現在も続くロシアによるウクライナ侵攻に関連し、こう述べた。

「日本にとってインド太平洋地域の脅威はロシア、中国、北朝鮮で、すべて核保有国。その中で私たちはしっかりと(国を)守り抜く努力をしなければ。自由や人権を共有する国々と協調し合い、この地域を守っていくことが強い抑止力になる。抑止力とは戦争をする力ではなく、戦争を止める力だ」

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