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2020年10月24日

自民党県議団VS新潟県警 仁義なき戦い

2020年03月27日

まさしく「前代未聞」と言っていい。新潟県議会2月定例会で、予算の一部を削る修正案が可決された。修正、削除されたのは、県警が求めていた自動速度取締装置「可搬式オービス」を導入するための予算1千100万円。修正案は県議会で可半数を占める自民党が提出したもの。信号機の設置をめぐる、自民党と県警による抗争の結末だった。

 

自民党県議に身辺警戒警報

 

新潟市の自民党関係者がこう言った。

 

「自民党の県議の先生方ですが、身辺に注意した方がよろしいのでは…。やはりあんなことがありますと、警察から狙われやすいのではないかと…」

 

「あんなこと」とは、3月19日に閉会した県議会2月定例会での出来事を指す。令和2年度の予算案を審議するこの議会で、過半数を占める自民党は予算の修正案を提出。これが賛成多数で可決された。予算案がそのまま可決されなかったのは戦後初だとかで、とにかく前代未聞の出来事だった。

 

では何が修正されたのか?

既に繰り返し報道されているように、修正されたのは県警の予算だった。当初あった可搬式オービスの予算(1台分)、1千100万円が削除された。県の予算は1兆2千億円余ある。修正はそのごくごく一部なのだが、極めてビッグな出来事だ。

 

オービスとは主要な幹線道路や高速道路に設置してある自動速度取締装置のこと。従来型のオービスは道路の上に固定されている。制限速度を超えて走っている車両を自動的に検知し、ピカっと光ってドライバーの写真を撮る、あの機械のことだ。余談だが高性能らしく、運転席と助手席でイチャついている状況までカメラが捉えるのだとか。

 

可搬式とは、固定式ではなく移動可能なタイプのことで、神出鬼没な取り締まりが可能。通常の〝ネズミ捕り〟に比べ、取り締まりの人員も少なくて済むという。自民党は議会で県警察とさんざんやり合った結果、県警が導入を予定した可搬式オービスの予算を減額した。

 

それゆえ「自民党の県議は県警から恨まれ、狙われているのでは…」というわけだ。衆院5区の自民党関係者も似たようなことを言う。

 

「県警のターゲットになっている県議がいるようですよ」

 

どこまで本当か定かではない。仮にターゲットになっていたとしても、悪いことをしてなきゃ大丈夫。お天道様はちゃんと見ている。

 

以下は現職の自民党県議が語った話だ。

 

「県警の所轄署に県議と仲良くするなという指示が出ているらしい。これまで定例会前には必ず所轄署からご機嫌うかがいみたいに来ていた。ところが今回は、一度都合が悪くて先方の来訪を断ったらそれっきり。今までそんなことはなかったのに」

 

まず不祥事から

 

自民党と県警の関係だが、2月定例会ではのっけから不穏な空気が流れていた。2月20日に行われたのが会派の代表質問だが、自民党は同県連幹事長、当選8回のベテラン、小野峯生県議(村上市岩船郡)が務めた。質問項目の最後、「県民の安全と安心の確保について」が県警に関する部分。

 

その冒頭、小野県議が指摘したのは前出のオービスでも、この定例会で話題になった信号機の設置でもない。県警で連続して発生した不祥事だった。

 

「本年1月の地元紙に、昨年7月に50代の巡査部長が同僚にわいせつ行為をはたらき、懲戒免職処分となっていたにもかかわらず、公表されていなかったという報道がありました。昨年3月の地元紙の記事では、平成26年10月から昨年2月まで、5年間の主な県警の不祥事として保険金詐欺、証拠資料破棄、窃盗、研修に向かうための公用車で、高速道路を175㎞の猛スピードで走行するなど10件の不祥事があり、そのうち懲戒免職が4件となっています。

 

昨年2月定例会の建設公安委員会において県警本部長が陳謝しておりますが、その後も現職警官の窃盗事件など、懲戒免職処分や逮捕事案、同僚へのわいせつ行為など、県警による不祥事が続発しているところです」

 

質問冒頭から厳しい指摘が続いた。小野県議が指摘したように昨年2月定例会の建設公安委員会(3月6日)で、冒頭、花岡和道本部長(本年4月に異動)がこう発言している。

 

「私から、本県警察官に係る非違事案(警察の不祥事)が相次いだことにつきまして、おわびを申し上げます。今年に入り、捜査資料の廃棄や、保険会社から保険金をだまし取るなどした事件で、警察官2名を懲戒処分としたところですが、さらに、2月25 日、長岡警察署の警部補が窃盗事件で逮捕される事態が発生したものであります」  (会議録より)

 

警察の本部長に就任するのは、いわゆるキャリア組が大半。本県の警察は隣接する富山や山形などより〝格上〟の大規模警察本部で、その本部長には警察庁でも一握りしかいないエリートの警視監が就任する。花岡本部長はその一人。警視監が陳謝するわけだから、よほどの場面ということだ。…続きは本誌に

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