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2024年04月20日

呪われた柏崎第4弾 現議長と前市長に癒着”疑惑”急浮上

2017年12月27日

長い間、新潟県刈羽郡旧西山町の議会関係者の間で田中角栄元総理以来の汚辱と囁かれながら、なかなか尻尾が掴めなかった柏崎市議会議長の加藤武男氏に絡む不正の実態が市民からの通報によって明らかになった。今号では、その一端をご紹介し、世論の喚起を待ちたい。

 

生田萬の怨霊と越後柏崎

 

「柏崎という街はよほど何かに呪われているようですね。まさか、生田萬(いくた よろず)の怨霊では?」

 

そう言ったのは、日本生産性本部が母体となって発足した「日本創成会議」座長の増田寛也氏である。

 

今から3年前、場所は長岡市内のホテル。その日は長岡市をはじめ、県内各市町村の首長クラスが一堂に会して「地方創生」をテーマにした増田氏の講演を聴くことになっていた。

 

終了後、増田氏を囲む場が設けられ、冒頭の発言はそのときのものである。

 

増田氏の言葉は、その前年に行われた「柏崎市長選」の当選会見での現職会田洋市長の発言が名誉棄損に当たるとして訴えた前柏崎市長との裁判が泥沼化していること(対抗馬は前市長の実弟)。3期連続当選の会田洋氏が市長就任以来、まともに給料を受け取っていないこと(ほぼ毎月10%カット)。しかも、その原因が市職員の不祥事にあることなどを報じた本誌の記事を読んでの感想だった。

 

ちなみに「生田萬」とは、江戸時代後期の国学者。平田篤胤に国学を学び晩年は越後柏崎で私塾を開いている。

 

天保の大飢饉のとき、救民を掲げて武装蜂起した大塩平八郎に呼応し(「大塩平八郎の乱」)、数名の同志とともに、伏魔殿といわれた桑名藩領柏崎陣屋を襲撃するが、負傷して自刃。憂国の志が深く、詩歌に秀でた妻と2人の幼い娘も自害した(「生田萬の乱」)。

 

このとき、柏崎の領民は生田萬を顧みることもなく、その後、歴史の闇に葬られた(柏崎小学校脇に「生田萬埋骨場」の石碑だけが建っている)。

 

会田前市長との癒着

 

その生田萬を引用した増田氏の見識はさすがと言うしかないが、今にも生田萬が黄泉の国から蘇って、柏崎市民のために決起するのではないかと思わせる、ある不祥事が柏崎市民の間で取り沙汰されている。

 

それでは「呪われた柏崎」第4弾の幕明けである。

 

今回、話の中心にいるのは、柏崎市議会議長の加藤武男氏である(当選3回)。

 

加藤氏の住まいは、田中角栄元総理の生家に近い柏崎市西山町坂田。豪雪の冬期を除けば、のどかな田園地帯である。

 

ご夫人の愛子さんはかつて柏崎市議を1期務めたこともある才媛で、現在は柏崎市の第3セクターである「柏崎振興財団」の評議員として働いている。

 

これについて、加藤氏周辺の事情に詳しい旧西山町の議会関係者Y氏は「加藤夫妻は前柏崎市長の会田洋さんとは現職のころから昵懇だったから、愛子さんが第3セクターの評議員に就任したとしても不思議ではないのう。

 

それも言うなれば、会田前市長との癒着から生まれた利権ちゅうことでがん。そんなこんなは、西山町の住民なら誰でも知っとることですて」と事もなげに言ってのけた。

 

加藤氏は「柏崎市議会議長」という華やかな肩書のほかに、もうひとつの「晴れの顔」を持っている。西山町坂田の自宅の敷地内に「ビジネス旅館ハイマートグリーン」という宿泊施設が建っており、彼はその施設の実質的なオーナーなのである。

 

田中角栄元総理が強権でこじ開けた北陸道、西山インターから約2キロのところに位置するこの宿泊施設の最大収容人員は40人。万一、満室の場合は「別施設、柏崎市西山町内にあり、ご相談くださいませ」とご丁寧に書いてある。

 

柏崎市議会議長という肩書だけでもご立派なのに、自宅のある西山町内に複数の宿泊施設を手広く経営する実業家という顔もお持ちの加藤氏なのである。

 

これについて、前出の旧西山町の議会関係者Y氏は言う。

 

「ハイマートグリーン? ああ、ビジネス旅館とかいう洋風の民宿のことかいね。あれは加藤さん夫婦が老後の暮らしのために建てたと聞いておる。おらも1、2回、利用したが、料理はバカうまかったのう。

 

昔から、加藤さんは石地の海水浴場で浜茶屋を経営しているから、料理は得意中の得意だろう。見晴らし荘の利権は加藤さんの親分の三富佳一県議が持っていなさる。あの2人は親分・子分の間柄で、昔から切っても切れない関係ですて。

 

前市長の会田洋さんも現職のころは三富さんと東山さん(英機、元県議)に小判鮫のように張り付いておった。その会田さんの弱みに付け込んで利権を得ていたのが加藤さんだて」

 

2年間で約1千万円の業務委託

 

加藤氏が会田前市長の弱みに付け込んで手にした利権とはいったい何なのか。

 

あった! 何と加藤氏が、越後の小判鮫こと会田洋前柏崎市長との間で取り交わした「委託業務完了届」なるものが見つかったのである。

 

「下記の通り委託業務を完了しましたので、届け出ます」と書かれた文書の受託者は西山観光協会、会長の加藤武男。当時、加藤氏は「市議会議員」でもある。文書の日付は平成23年3月31日。

 

柏崎市から委託された業務は「石地海岸等観光施設の維持管理・管理業務」。

 

委託場所は「柏崎市西山町石地、尾町、大崎地内」。この石地海岸には、加藤氏がオーナーを務める浜茶屋がある。

 

契約金額は460万円。委託された期間は「平成22年4月1日~平成23年3月31日」となっている。

 

さらに、業務委託は翌年まで延長され、平成23年に西山観光協会の加藤会長が受注した金額は512万5千円だった。

 

歴とした柏崎市議でもある加藤氏は、柏崎市から自身が会長を務める西山観光協会に対し、不適正な支出をさせていたというのである。それも、複数年にわたり、約1千万円も受注しておられる。世知辛い世の中に、こんなうまい話がまかり通って良いのだろうかと、つい首をかしげたくなるような話である。…続きは本誌に

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