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2024年04月20日

野党共闘も米山隆一も捨てた民進党の不可解

2016年09月27日

p28知事選で自公はさっさと森民夫前長岡市長の推薦を決めた。一方の民進党だが、前回の参院選に続いて独自候補も出せない。それだけなら「不甲斐ない」で済む話だ。だが野党統一候補を拒否して潰すという事態に至っては、もはや論外。そんな民進党のおかげで、県民は知事選で政策論争も期待できず、選択肢を奪われた格好になってしまった(一部敬称略)。

 

 

 

田中ブランド不発

 

記者クラブにペーパーを2枚流し知事選からの撤退を表明。それが”泉田流”だった。8月30日の午後、4選に向け出馬表明していた泉田裕彦知事の不出馬が突如として伝えられた。泉田支持のある県議は、速報が流れた時間帯、県庁内にいた。だが知事の撤退など、まさしく寝耳に水の話だったという。

 

「泉田知事4選断念」を伝えた翌日の新潟日報は、〈異例の文書発表〉というタイトルを掲げた。「日本海横断航路の船調達問題」で知事と泥沼の戦いを続けた同紙だが、〈異例の文書発表〉といった表現に、知事の抗議はなかったようだ。

 

余談だが、「日報の一連の報道について、公選法違反に問えないか県庁内で検討された形跡がある」という。現実的な可能性より、「公選法違反を問われた新聞社はない」といったことのインパクトを狙ったものらしい。実際に日報が告訴・告発された形跡はないから、不発に終わったようだ。

 

「この秋の新潟県知事選挙からの撤退について」と題する泉田知事の書面は日付が8月29日だった。知事選が告示となるちょうど1カ月前。既に知られている撤退の理由などについて、今さら申し上げるまでもあるまい。

現職知事の撤退表明を受け、知事選は流動化した。本県ゆかりの人材は決して乏しくない。知事選の出馬を有望視された人物は、現職の官僚もいれば、メディア関係者、あるいは一部で語られた大学教授いる。

 

中でも待望論があったのは、田中角栄元首相の孫である田中雄一郎氏だ。税理士法人の代表を務める同氏だが、姿かたちも祖父をしのばせるものがあるという。

 

この田中雄一郎氏に「コンタクトを取った」という田中元首相の信奉者がいる。もちろん知事選に担ぎ出すためだ。短期決戦の場合、田中のブランド力、知名度なら、既に立候補を表明している森民夫前長岡市長など軽く吹っ飛ぶ。だが元首相の孫にまったくその気はなかったという。

 

古賀、若杉の系譜

 

知事候補として有望視された本県ゆかりの官僚らに動きは見られなかった。自民党は9月9日の県連拡大役員会で森民夫前長岡市長の推薦を実質的に決定した。一方、公明党も同月10日に森前市長と政策協定を締結。その2日後には同前市長の推薦を決定している。

 

 

自公が相次いで森前市長の支持を決めた1週間ほど前、知事候補として、ある人物の名が伝えられた。それが元通産(経産)官僚の古賀茂明だ。7月の都知事選で民進党の東京都連が出馬を要請した人物。

 

都知事選で民進党を含む野党は古賀でなく、ジャーナリストの鳥越俊太郎を統一候補とした。だが結果は惨敗。出馬を鳥越に譲った格好の古賀だが、政策通として知られ、いわゆる原子力ムラとは厳しく対峙してきた。同じ経産省出身の泉田裕彦知事と、どこかイメージがダブる。…続きは本誌に

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