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2020年12月4日

緊急飲料水タンク 総額1兆円の事業を新潟市がダメ出し

2016年05月27日

水道関連機器メーカーの明和工業(新潟市西蒲区)はメイワサンピア(新潟市西区)の運営を手掛けるほか、旧大和新潟店の土地建物の大部分を購入した企業としても広く知られている。今後は同社をはじめとする地権者が跡地の再開発に着手するとともに、新潟市がこの再開発事業に対して約10億円もの補助金を投入する予定だ。しかし─。市と明和工業との間には過去に市民が納めた多額の税金をフイにした”前科”があったのだった。

 

旧潟東村の看板に偽りアリ

 

新潟市西蒲区の潟東けやき病院前の住宅街の一角に、以下のように記された看板がある。

 

〈健康で文化の香りただよう潟東村 緊急用飲料水備蓄タンク兼防火水槽〉

 

その内容から旧潟東村当時、つまり旧新潟市などとの市町村合併以前に立てられた看板であるのは明らかだが、文末にある〈緊急用飲料水備蓄タンク兼防火水槽〉とはいかなるものなのか?

 

実のところ木々の幹や枝葉で見えづらいが、この看板の背後に回ると高さ約8メートルにおよぶ円筒形のタンクが目に飛び込んでくる。

 

記者が近づいてタンクの下部にある金属プレートを見ると、このタンクの正式名称を確認することができる。

 

〈セーフティータワー〉

金属プレートには製造者が新潟市西蒲区に本社を置く明和工業で、1996年に旧潟東村役場がタワーを設置したことが併せて記されている。先ほどの看板にあった〈緊急用飲料水備蓄タンク兼防火水槽〉とは、このセーフティータワーのことにほかならない。

 

p46

しかしながら、この〈緊急用飲料水備蓄タンク兼防火水槽〉とうたった看板は、実のところ文字どおり「看板に偽りあり」である。というのもセーフティータワーに備蓄されている水は火災時に消防が使用することはできるものの、飲料水としては用いることができないからだ。したがってタンクは水道局ではなく消防の管理下に置かれている。

 

さる地元関係者が説明する。「1995年1月に阪神・淡路大震災が発生し、災害時に備えた飲料水確保の必要性に大きな注目が集まったのを受けて、明和工業が防火水槽にとどまらず飲料水備蓄タンクとしても使えるとされるセーフティータワーを製品化。これを各自治体に積極的に売り込んだ経緯があるのです」

 

記者が調査した結果、明和工業は1996年から2004年にかけて旧潟東村をはじめ、旧白根市、旧西川町、旧味方村など、旧新潟市を除く周辺合併市町村に対してセーフティータワーを精力的に売り込んでいたことが分かった。

 

新潟市水道局によると、現在市内には明和工業製のセーフティータワーが13基存在するという。いずれも市町村合併以前に設置されたため役所にも詳細な資料が残っていないとされるが、記者はこのうち10基を探し当てて現地確認した。

 

それまでにも同社は防火水槽の機能のみを持つ容量40㌧のタンクを製品化していたが、飲料水備蓄機能を兼ね備えたセーフティータワーの価格は従来の2倍の約800万円だったことも判明。

 

したがって新潟市にある13 基のセーフティータワーに対する総投資額は1億400万円に上る計算となる。そして結論を述べると、これら13基のセーフティータワーは現在、いずれも飲料水備蓄タンクとしては活用されていない。

 

燕市は飲料水として備蓄

 

先に紹介した潟東けやき病院前のセーフティータワーをはじめとする新潟市内の全13基はなぜ、飲料水備蓄用として活用されていないのか?

 

関係筋がその真相を明かす。…続きは本誌に

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