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2024年10月4日

もはや新潟市の安吾賞に誰もが興味ゼロ

2016年02月26日

市民の血税を大判振る舞いするのが、新潟市主催の安吾賞。市にゆかりが無くとも、坂口安吾的な「挑戦者魂」を持つ人には毎年100万円が贈られていた。しかし次年度以降、同賞は大幅にスケールダウンする。元来批判が多かった賞であることに加え、賞の内情を覗くと、避けられない結果だ。

 

事業仕分け効果てきめん

 

民主党政権下の事業仕分け(’09~’10年)といえば、蓮舫議員の名を一躍高めたことで有名。その後全国の自治体で仕分けブームが起こり、新潟市も例外ではなかった。

 

安吾賞は仕分けの槍玉に上がった事業の1つ。当時の安吾賞の賞金は300万円。安吾的な“生きざま”である人に贈られる同賞は、仕分け委員から「具体的な効果が分からない」と指摘を受けた。結果、賞金は100万円に減額。加えて受賞者は、受賞後の市民交流事業を行うこととなった。逆を辿れば、仕分け以前の安吾賞は、市が受賞者に300万円を贈るだけの事業だった。

 

安吾賞は’06年に創設され、第1回受賞者は劇作家の野田秀樹氏。以降、僧侶の瀬戸内寂聴氏、俳優の渡辺謙氏などが受賞した後の’10年、新潟市は事業仕分けを実施した。

 

仕分け以降、受賞者のカラーが変わり、写真家のアラーキー氏、前衛美術家の草間彌生氏などが受賞。第10回を迎えた昨年の受賞者は元外交官の佐藤優氏。佐藤氏は背任と偽計業務妨害罪容疑で逮捕・起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けた過去がある(’13年6月執行猶予期間満了)。佐藤氏の事件をめぐっては国策捜査説など様々な論議があり、行政がそういった人物を称える賞を贈るのは異例だろう。

 

〈世俗の権威にとらわれずに本質を提示し反骨と飽くなき挑戦者魂の安吾精神を発揮する現代の安吾に光を当てたい〉

 

これが安吾賞の趣旨。安吾賞は事業仕分けを経て、趣旨に近づいていったと言える。

 

p54

「安吾賞は(事業仕分け後の)第6回目以降から無頼(型破りなさま)が色濃く出てきたような気がします」

篠田昭市長自身、第8回受賞式でそう話した。

 

しかし今年2月、市は次年度以降の安吾賞について、受賞賞金を30万円に引き下げる方針と発表された。

同賞を担当する市の文化政策課によれば、この方針は市の次年度予算編成過程の中で決まったという。とはいえ、安吾賞には不要論を唱える市民が多い。この点も同賞の予算削減に影響したのではないか。

 

さらに、安吾賞の「推薦人」のモチベーションの低さも原因か?…続きは本誌にて

 

 

 

 

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