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2021年09月28日

雪国まいたけTOB成功の舞台裏

2015年03月27日

電光石火で行われた雪国まいたけのTOB(株式公開買い付け)。主導したのは明らかに紳士と謳われる第四銀行だろう。上品な顔に似合わず寝技の腕も相当なものと誉めたいところだが、身近に迫った臨時株主総会を阻止せんがためと読めば、すべてが氷解してくる。現経営陣社長派と第四銀行の利害が一致したことで、関が原前夜さながらの深謀遠慮が交錯していたのだ。(文中敬称略)

 

東貢取締役の二枚舌

 

米大手投資ファンド、ベインキャピタルが仕掛けたTOBは鈴木社長率いる社長派と第四銀行連合軍対大平オーナー派役員の鎬を削る争いと見て取れる。大平派は臨時株主総会開催を叫び、新役員の送り込みを画策していた。長岡地裁からは臨時株主総会開催許可のお墨付きも得ていた。総会開催となれば、創業家の意向が反映され、再三に及ぶ大混乱は避けられない。シンジケートローンを主導してきたメイン取引行たる第四銀行の面子は丸潰れとなる。金融庁の手前もある。東京証券取引所への面子もある。

 

TOBを巡る雪国まいたけの臨時役員会は2月23日に開催されている。外資メインキャピタルの意向は株式公開買い付けであり、敵対的買収ではない。となると、雪国まいたけ役員6名のうち過半数の了承を得なければならない。つまり4名の了解が必要だった。

 

鈴木社長派と目されていたのは上野副社長、中原取締役の3名。大平派は大塚、荒木そして東の各取締役3名。大平派の目論み通り事が運べばTOBの採決は3対3で流れる筈であつた。

 

ところが、である。2月23日の臨時役員会で東貢は、「TOBのことは解からない」と言って退席したというのである。これにより、3対2の採決でTOBの受け入れは決定した。

 

事情通が声を潜めて語る。「東貢は臨時役員会の前日まで大平喜信を含めた3人がかりで説得され、TOBに反対すると確約していたのです」

 

事の善し悪しは別に裏切ったわけだが、関が原前夜の「裏切り金吾」こと、小早川秀秋の挙動に酷似していまいか。関が原前夜、東軍の徳川家康、西軍の石田三成から調略攻めに遭っていた金吾中納言こと小早川秀秋。家康の代理人は黒田長政で「勝利の暁には隣国二カ国を与えよう」。一方の三成の手土産は大きい。「秀頼様のお目付け役として関白太政大臣の位」。

 

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東にとっては大平側についてもメリットは既になかったでしょう。大株主あっての大平で、株を取り上げられ 昨年11月中旬、創業家大平喜信の実弟他2名から、臨時株主総会開催要請があった。受け入れを拒否されたことで、昨年12月中旬、長岡地裁に「臨時株主総会たのでは赤子同然、もはや力の行使は無理ですからね。勢いのある外資・現経営陣・金融団に付いた方が得策なのはハッキリしてます。利に敏い町会議員あがりの東がやることですよ、それにしても大平さんは人を見る目がない」(地元経済人)

 

鈴木社長派からも東に対する切り崩しは周到に進められていたのは間違いない。東を陣営に引き入れたことで、TOB成功の一里塚になったのだから。その立役者は上野副社長と思われるが、気になるお土産は何だったのか。…続きは本誌にて

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