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2025年12月5日

公用車処分で分かった村上市の非常識

2014年12月26日

公共工事入札に代表されるように、官公庁による入札が厳正かつ公平に行われなければならないのは論をまたない。しかしながら村上市が行った問題の入札は明らかに厳正さも公平性も欠いたものだった。なにせ事前公表される最低入札価格を特定の入札業者に決めさせていたのだから。

 

市が除雪車とバスを売却

 

村上市が発行する〈市報むらかみ お知らせ版〉の2014年8月1日号に以下のような見出しの記事が掲載された。

 

〈公用車(除雪車など)を売却します〉

 

p148

本題に入る前に、ここ数年、インターネット上で官公庁オークションが盛んに行われていることをご存じだろうか? その大多数を占めるのが地方税の未納などに伴い官公庁が差し押さえた物品をオークションで売却するもので、落札代金は未納となっている税金の支払いに充てられる。

 

記者もかつて新潟市が行うオークションを見学したことがあるが、庁舎の一室に未使用とみられる最新鋭のゲーム機が梱包されたまま多数並べられていたのが印象的だった。一人で何台も所有していたのかどうかは分からないが、どちらにしても税金未納者の所有物だったのはいうまでもない。

 

これに対して村上市が市報で売却を告知した除雪車などの車両は公用車であり、それまで市が自己所有して使っていたものだが、これも一種の官公庁オークションといえるかもしれない。それにしてもモノが除雪車というのは、いかにも雪国新潟らしくていいではないか。

 

市内の自動車販売業者がいう。「村上市が昨年9月に入札にかけた車両は計4台で、売却方法は一般競争入札でした。つまり公共工事入札と同様に、最も値段の高い札を入れた者が落札する寸法です」(会社社長)

 

車両4台の詳細は以下のとおりだ。

・ニイガタ ロータリ除雪車…88年初年度登録、走行距離1万2,505キロ、車検14年11月

・キャタピラー タイヤドーザ…91年初年度登録、走行距離5,065キロ、車検15年11月

・キャタピラー ショベルローダ…92年初年度登録、走行距離1,414キロ、車検14年10月

・三菱 バス…97年初年度登録、走行距離17万8,779キロ、車検切れ

 

4台目のバスを除くと、ほかの3台は除雪用車両とあって経年数の割に走行距離が少ないのが目につく。出動するのが冬季に限られていることから、当然といえば当然だ。これら3台の除雪用車両にはいずれも車体に〈村上市〉と印字されており、公用車の面影を残している。…続きは本誌にて

 

 

 

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