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2021年09月28日

建設業界版 デフレ脱却アベノミクスは新潟から始まった

2013年04月25日

建設業でも下請けの専門工事業者にようやく光が当たりつつある。新年度、国交省は公共工事の積算に用いる「設計労務単価」を大幅に引き上げた。これを受け、新潟県はいち早く対応し、「新労務単価を3月公告分から遡って適用する」とした。デフレスパイラルからの脱却を図る「建設業界版アベノミクス」とも言える措置だが、その原点は7年前、県内の業界で話題になった、ある騒動にさかのぼる。

 

デフレスパイラルの極致

 

7年前の9月、第一次安倍晋三内閣が誕生した。「姉歯事件」から2年が経過した当時、建設業界では低価格入札が頻発し、社会問題化していた。例えば平成18年3月に行われた「大河津分水可動堰」(発注者は国交省)の入札では、予定価格に対する落札率が約67%だった。

 

当時、国交省が発注した県内の大型物件では、60%を切るような入札もあった。こうしたダンピング受注のしわ寄せは、建設現場を支える技能工、その技能工を抱える専門工佐藤信秋参院議員事業者を直撃した。

 

公共工事費を積算するため、年度ごとに職種別、都道府県別の「設計労務単価」が国によって示される。新潟県の場合、例えば型枠工(コンクリートを流し込む型枠を作って組み立てる技能工)で、平成18年度の労務単価は1万4千900円。これは同11年度に比べ額で9千800円、率で約40%もダウンした数字だった。まさにデフレスパイラルの極致だった。

 

こうした状況下、県内の専門工事業者らを激怒させる一件が浮上した。きっかけは県内で発行する建設業界紙の秋季特別号だった。その頃の国交省にとって顔的な存在とも言えた二人の対談記事が掲載された。当時は国交大臣政務官だった吉田六左エ門氏と、現在は参院議員の佐藤信秋氏だ。国交省の技監、事務次官を務めた同氏は、この年の7月に退官していた。両者は共に新潟市の出身だ。

 

記事中、〈ダンピング競争の防止が至急の課題だ 悪循環を切る必要がある〉、〈安い予定価格を組んでいる〉とするサブタイトルの部分があった。全体で4㌻にわたる記事でも、この部分は専門工事業に関係する記述が多かった。対談の中身は下請け業者の立場に沿ったもののように思われた。

 

しかし皮肉なことに、吉田、佐藤両氏の一部発言に対し、型枠工など専門工事の業界団体役員が激しく反発することになった。…続きは本誌にて

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