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2024年04月29日

【特集】 暴走する加茂市

2012年11月26日

元祖・暴走自治体”と名指しされた加茂市のありえない取材拒否

 

まさかの取材拒否・ノーコメントだった。担当課の課長が弊誌に語ったその理由を聞きながら、独裁体制を敷く彼の国を想像した。ほぼすべての取材依頼は小池清彦市長に上がるという。市政のことを聞きたくても市長が「ノー」と言えば知ることができない。自分の言いたいことは税金を使ってでも言うが、予算執行など聞きたいことには答えない。それが加茂市長の流儀らしい。

 

すべてノーコメント

 

「市長は、自分にとって都合の悪いことは、言わない、逃げる、相手を罵る。議会を見れば分かります」

 

とは、加茂市在住の市政ウォッチャー氏。「暴走する地方自治」を書いた新潟大学法学部の田村秀教授は、加茂市を「元祖暴走する地方自治を実践している地方自治体かもしれない」と記した上で、市政ウォッチャー氏の発言を裏付けるかのような記述を、同名のブログに書き込んでいる。

 

〈私は全国市長会の会議で何度か加茂市長が他の市長を罵倒しているのを目の当たりにしたことがある。自分の意見と違う人には徹底的に攻撃の手を緩めないのだ。道州制に関しても絶対反対で、会議では座長を務めていた当時の出雲市長に対してかなり失礼なことを言っていたことを覚えている〉

 

具体的には何といって罵倒したのか。ここに出てくる出雲市長は文部科学省の出身で、小池市長は防衛庁(当時)の出身だ。

 

「正確な表現は忘れましたが、“お前とオレでは霞が関にいたときの地位が違う。お前は課長止まりだが、オレは局長までやったのだ”というニュアンスです」

 

1931年生まれ。県立三条高校から東京大学法学部に進学。大学を卒業後、防衛庁に入庁。1992年に同庁を退官。1995年の加茂市長選に出馬し当選。それから5期連続で加茂市長を務めているのが小池氏だ。

 

かなりアクの強そうなイメージのある小池市長だが、市長を5期も務めているのだから、それなりに市民の“ニーズ”はあるのだろう。事実、福祉政策などはかなり手厚く、大型店の市内出店を阻み、商店街を保護している。合併には絶対反対の市政を貫く一方で、“鎖国”による不便さを感じさせない政策が、市民の評価を得ているのかもしれない。市長は事あるごとに「市民の幸せのため」というフレーズを使う。市民も幸せに感じているから、小池氏に市政を託しているのだろう。

 

ただし、そのアクの強さが時に批判を招く。…続きは本誌にて

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