新潟の国土強靭化が描く「日本海側拠点」の未来
2026年07月27日
能登半島地震や相次ぐ豪雨災害を受け、防災・減災の重要性が改めて高まっている。新潟県内でも、大河津分水路の改修、朝日温海道路、三俣防災、柏崎バイパス、八十里越、新潟港、新潟駅周辺整備など、多様な国直轄事業が進む。これらは単なる公共工事ではない。県民の暮らし、企業活動、医療、物流、観光、まちづくりを支える基盤であり、首都直下地震などの大規模災害時には、新潟が日本海側から首都圏や東北を支える拠点となる可能性も秘めている。新潟の国土強靭化とは何か。道路、河川、港湾、駅、まちづくりは、私たちの日々の生活とどう結びついているのか。北陸地方整備局の髙松諭前局長と佐藤信秋・国土強靭化研究所副会長に聞いた。
新潟県内で進む直轄事業を三つの柱で見る
瀬戸田 まず、新潟県内で進んでいる国直轄事業の全体像についてお聞かせください。道路、河川、港湾、駅周辺整備まで、非常に幅広い印象があります。
髙松局長 新潟県内の事業は本当に多岐にわたります。県土が広く、山間部、海岸部、都市部、豪雪地帯、港湾、県境部と、それぞれに課題がありますので、事業も自然と幅広くなります。分かりやすく整理すると、三つの柱で捉えることができます。
一つ目は「安全で安心な地域づくり」です。大河津分水路の改修、三俣防災、橋梁架替、砂防、交通安全対策、港湾・海岸の防災機能強化などがこれに当たります。大雨や地震、豪雪の時に道路が寸断されない、洪水や土砂災害から暮らしを守る、救急や避難のルートを確保するという意味で、県民生活の土台になる事業です。
二つ目は「活力、成長力のある地域づくり」です。朝日温海道路、八十里越、柏崎バイパス、栄拡幅、六日町バイパス、上越魚沼地域振興快速道路、新潟港、直江津港などが関係します。道路や港湾は、移動時間を短くするだけでなく、物流の安定、企業活動、観光交流、医療搬送に関わります。平時の経済活動を支えるものが、有事には救援や物資輸送の基盤にもなります。
三つ目は「魅力あるまちづくり・豊かな地域づくり」です。新潟駅周辺整備、バスターミナル、万代口駅前広場、上所駅、やすらぎ堤、新潟港海岸のにぎわい創出などが挙げられます。国土強靭化というと、防災だけを思い浮かべる方も多いと思いますが、地域の魅力や公共交通の利便性、観光、交流人口の拡大も大切な要素です。
瀬戸田 県民から見ると、個別の工事は目に入っても、それが全体としてどうつながっているのかは見えにくいかもしれません。
髙松局長 そうですね。一つ一つの工事は道路の拡幅であったり、橋の架け替えであったり、河川の掘削であったりします。ただ、それらを線や面で見ると、新潟県の安
全、物流、医療、観光、まちづくりを支えるネットワークになっています。国土強靭化とは、単に強い構造物をつくることではなく、地域全体の機能を止めないようにする取り組みだと考えています。…続きは本誌で













