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2026年02月27日

メガソーラー支援廃止に舵を切った国のご都合主義

2026年02月27日

政府は2027年度以降、大規模太陽光発電所(メガソーラー)に対する支援制度を廃止する方針を固めた。理由は生態系や安全性への懸念が拡大し、環境破壊につながる開発に歯止めをかけるためだという。政府のこうした方針決定をマスコミが報じたのは、花角英世知事が国に対して柏崎刈羽原発の再稼働に同意する意向を伝えるわずか1週間前というタイミングだった。突然の政府の方針転換はいったい何を意味するのか?

 

国策として進められた“山削り発電”の矛盾

 

「環境破壊に歯止めをかける」―。政府が掲げたメガソーラー支援廃止の理由は耳触りが実に良い。

 

しかし、ある市民は吐き捨てるように言う。

「メガソーラー建設によって山林が切り崩されて自然が破壊されるのは最初から分かりきっていたこと。国は今さら何を言っているのか」(中越地方の50代男性)

 

同じく中越地方の別の市民はこう話す。

「今頃になって歯止めなんて言い出しても、いったん削られた山は元には戻りませんよ。斜面の木々が伐採されて赤土がむき出しになったところに雨が降れば、濁水が沢へ流れて用水路が泥で詰まりやすくなります。私たち住民は台風が来るたびに怖い思いをしなきゃなりません」 (中越地方の60代男性)

 

メガソーラーは単なる発電設備ではない。土地改変が不可欠な大規模開発を伴う。単に景観が損なわれ、生態系が変わるにとどまらない。

 

太陽光パネルを敷き詰めるため森林を伐採し、表土を剥ぎ取り、排水設備を整備する。これにより土地の保水力が落ちれば、豪雨時の土砂災害リスクが高まる。こうした深刻な弊害は、国がメガソーラーへの支援をスタートした時点で予見できたはずだ。

 

東日本大震災が発生した翌2012年、国は再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を導入し、太陽光を主力電源と位置付けて民間によるメガソーラー建設を強力に後押しした。

 

しかし事業者側はメガソーラーを政府公認の儲かる商売と考え、土地価格の安い山林に目を付けた。大規模計画を掲げる投資ファンドが続々と現れ、住民説
明会では「雇用機会の創出」「自然との共生」などと美辞麗句を並べた。

 

しかしエネルギー政策に詳しい関係筋は制度の欠陥をこう断じる。

「国はFITを導入するにあたって、環境規律と立地規制を最初から組み込むべきだったのです。しかし国は発電量を確保したいがためにルールづくりをしなかった。メガソーラーを建設するには広大な土地が不可欠です。このため平地ではなく山のほうが必要な土地を手当てしやすく、また土地代も安い。これでは乱開発が進むわけです」(上越地方の議会関係者)

 

政府は今頃になって「生態系や安全性への懸念が拡大している」などと心配顔をし始めた。しかし、こうした懸念は突然生じたわけではない。最初から分かりきっていたことなのだ。…続きは本誌で

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