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2026年02月27日

新潟を離れる若者のシビアな言い分

2026年02月27日

県がこのほど発表した「新潟県出身若年層に関する調査」の結果は、若者たちの県外流出を進学先や就職先の問題だけで片付けてきた空気にはっきりとした反証を突きつけた。新潟に対する若者たちの一番の物足りなさや不満は、日々の暮らしにおける刺激のなさのようだ。

 

地元では進学先の選択肢が少ないから首都圏へ

 

調査結果を開いて真っ先に目に飛び込んでくるのは、新潟県出身者が首都圏に転居した理由として挙げられた「希望する進学先が少なかったから」の比率だ。男性が48・5%、女性が42・9%。首都圏に転居した新潟県出身者の半数近くが、進学段階で新潟を離れることを決めたという。

 

単に進学のためだけに首都圏に行くのであればまだいい。厄介なのは進学を機に首都圏へ行ったきり新潟に戻ってこなくなる、平たく言えば行きっぱなしになりやすい点だ。

 

東京都内の会社で働く本県出身の男性が話す。

「県外の大学を卒業して、東京の会社に就職しましたが、新潟の企業に就職することはいっさい考えませんでした。やりたい分野の会社が新潟にはなかっ
たからです。これとは対照的に東京では“自分が何をやりたいか”を前提にして就職先を探すことができました」(23歳男性・新潟市出身)

 

記者の知人女性から聞いた話だが、都内の私立大学を卒業し、現在は大手メーカーの営業ウーマンとして働く長女は、大学生活を振り返って母親の彼女にこう話しているという。

「入学してすぐにサークルの新歓(コンパ)で渋谷に行ったよ。普段も夜はライブハウス、週末は友達とカフェ巡り、夏休みにはゼミ仲間と大学が所有するセミナーハウスにお泊まり。

もしも私が新潟の大学に通っていたら、こんなの全部が特別なイベントだったはず。でも東京だと、これが日常なのよね。それが4年間も続くと、卒業した途端に新潟へ戻って就職って気持ちにはとてもなれなかったわ」(24歳女性・新潟市出身)

 

前出の男性はこう続ける。

「新潟が嫌いとかではないんです。実家に帰るとホッとしますし、新潟は食べ物が美味しいから大好きですし、新潟県民であることに誇りも持っています。

 

でも就職を考えた時に東京は会社の数も業界も多いし、説明会も気軽に行けるわけです。これに対して新潟は選択肢が限られている分、自分が本当にやりたいことを諦めなければならない人が多いのだと思います。僕自身はそれが一番怖かったです」( 23 歳男性・新潟市出身)

 

また前出の女性は就職するにあたっての新潟と東京の違いについて、母親にこう打ち明けたという。

 

「新潟では、就職って人生の決断って感じが強い印象なの。でも東京にいる大学の友達はもっと軽いの、“就職した会社が合わなかったら転職すればいいじゃん”みたいな。

 

そんな空気の中で4年間も過ごしたら、私も自然にそういう感覚になっちゃって…。新潟で定年まで勤められる会社を慎重に選ぶってモードには戻れなかったわ」(24歳女性・新潟市出身)…続きは本誌で

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