新潟県政記念館改修工事を起爆剤に新潟再生の道筋を!
2025年12月26日
現在改修工事中の新潟県政記念館(旧新潟県会議事堂)は、単なる歴史的建造物ではない。明治時代に建てられたこの建物には、「分断を超えて話し合う」という、現代の私たちが見失いかけている民主主義の原点が刻まれている。工期6年という長期プロジェクトだからこそ、今から準備を始めれば、新潟の歴史と文化を活かした地域再生の大きなシンボルになり得る。田口氏はそう言う。改修後の県政記念館を核に、「開港の街」として、「話し合いの文化」を現代に伝える場として、新潟がどう生まれ変われるのか。新年を迎えるにあたり、前向きな提案をしてもらった。
県政記念館の〝国宝級〟の価値を再認識する
新年おめでとうございます。2026年もよろしくお願いいたします。
今回の主役は改修工事が進んでいる旧新潟県会議事堂である新潟県政記念館(重要文化財指定)です。これには「新潟はどうやって近代化を迎えたのか」、「政治をどうやって県民に開こうとしたのか」という、政治の原点が刻み込まれています。この建物ほど「完璧に保存された議事堂建築」は、日本に他にないと断言できます。
建物そのものの希少性は特筆ものです。明治10年代、日本各地に擬洋風建築の議事堂が建てられましたが、多くは移築されています。長野県の旧開智学校(本誌註、元小学校で現在は教育博物館、国宝)は松本城の近くに移され、旧和歌山県会議事堂も移築されました。木造建築は部材を解体して組み直すことが前提だったため、観光動線や用途変更に合わせて場所を変えることが一般的だったのです。
ところが新潟県会議事堂は、建てられた場所と用途が、140年近く変わらずに生き続けている。この点で、極めて稀有な建築だと私は見ています。しかも、その場所が白山神社と白山公園の一角であることを考えると、そこには明治の県政が込めたメッセージが浮かび上がります。
いまは「りゅーとぴあ」などができていますが、当時は旧議事堂裏側のすぐそばを信濃川が流れていました。外国船が入港したときに最初に目に入る位置に、日本が近代国家であることを示すランドマークとして建てられたわけです。これだけでも十分に国宝級の価値があります。
さらに重要なのは、内部の議場構造です。議員席はアルファベットのU字型に配置され、議員同士が顔を見合わせながら議論できる設計になっています。平たく言うと「話し合い」を前提とした設計になっている。これはイギリスの庶民院(下院)型の議場を忠実に再現したもので、日本でこの構造が残っているのは新潟だけです。
山形の旧議事堂(文翔館)は多目的ホール寄りの設計で、和歌山の旧議事堂は議員席の配置が失われてしまいました。明治から大正期の議場で、建物・議場・議会運営のあり方をまとめて体験できる場としては、全国でも非常に貴重です。
何より特筆すべきは、2階の傍聴席の広さです。議場の周りをぐるりと取り囲む傍聴席は平らな構造で、およそ600人もの県民が入れるように設計されていました。
県民に議論を見せる――。
これが、この建物に込められた思想でした。…続きは本誌で













