参政党代表「高齢女性は子供を産めない」発言の賛否
2025年08月27日
「高齢の女性は子供が産めない」―。参政党の神谷宗幣代表が7月に投開票された参院選の街頭演説でこう発言したところ、多くのマスコミが「女性に対する人権侵害」だとして批判的に報じたが、一般市民の間では必ずしも批判一色ではなく賛否両論があるようだ。市井の声にも耳を傾けてみよう。
産むか産まないかを決めるのは女性の大切な権利
7月3日、参政党の神谷代表は東京都内で行った参院選の街頭演説で、以下のように発言した。
「申し訳ないが、高齢の女性は子供が産めない。日本の人口を維持していこうと思ったら、若い女性に子供が産みたいとか、産んだほうが安心して暮らせるな、という社会状況をつくらないといけない」(神谷代表の街頭演説より)
こうした発言を受けて、SNS上では「女性に対する人権侵害だ」とする批判的な意見が相次いだ。
たとえば40代の独身女性は以下のような意見を寄せている。
「年齢とともに妊娠が難しくなるのは事実。でも“高齢女性は産めない”と一括りにされると、まるで人間としての価値を否定されたように感じる」(40代独身女性)
出産経験のある40代の女性は同じくSNS上でこう述べている。
「私は40歳で出産したが、医師から高齢出産のリスクを説明された。事実を伝えるのと、人の気持ちに配慮するのは別問題だと思う」(出産経験のある40代女性)
このように自身の発言がSNS上で批判されたことを受けて、神谷代表はX(旧ツイッター)で「女性には適齢期があるから歳を重ねていけば出産ができなくなるのは生物として当然のこと。適齢期に出産できる社会環境をつくろうと言ったことを叩く意味がわからない」と投稿した。
この投稿に対してもSNS上では「女性に出産適齢期はあるが、産むか産まないかは個人が決めることだ」などの批判が相次いだ。
こうした議論の根底にあるのが「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」と呼ばれる概念で、国際的に「性と生殖に関する健康と権利」として女性の重要な権利のひとつとして認識されている。1994年のカイロ国際人口開発会議で広く共有され、日本政府も尊重する立場を表明してきた。
つまり子供を産むか産まないか、産む場合には何歳で何人産むかなどは、女性が自らの意思で決めることができる権利であり、国連や世界保健機関(WHO)も支持する国際的原則となっている。…続きは本誌で













