クマと遭遇しない県内最有力の山――角田山・弥彦山
2025年07月27日
全国的にクマが人を襲う被害が相次いでいる。近年は山に入ってクマに遭遇するにとどまらず、クマが住宅地まで降りてきて人を襲うケースも多発。人間がクマから身を守る方策を講じることが急務となっている。一方、登山愛好家にとっても県内各地でのクマ目撃情報は気が気ではない。安全な山はどこなのかも含めてリポートする。
県内で相次ぐクマによる被害と目撃情報
本県は全国的に見ても、クマの目撃情報や被害が多い地域だといわれている。以下は近年、クマに人が襲われた被害や目撃情報をまとめたものだ。
・ 2020年10月…妙高市で80代女性がクマに襲われ、頭部などに重傷を負う
・ 2020年10月…関川村で73歳の女性が畑作業中にクマに襲われ死亡。県内でクマに襲われた死亡事故が発生したのは19年ぶり
・ 2023年9~12月…県内で計20人がクマに襲われ、関川村の70代女性が死亡
・ 2024年4~7月…県内で計516件のクマ目撃情報があり、そのうち3件が人身被害。津南町では50代女性がミョウガ採取中にクマに襲われ太もも裏に軽傷を負う
・ 2024年6月…新発田市の岳岡山で60代男性が単独登山中にクマに襲われ、顔や腕を負傷
・ 2024年6月…胎内市、妙高市、津南町で相次いでクマ目撃情報。妙高市では農作業中の男性が頭を引っかかれ負傷。津南町では乗用車とクマの衝突事故が発生
・ 2024年6月…子供からお年寄りまで登りやすい低山として知られる田上町の護摩堂山でクマ目撃情報
・ 2024年8月…津南町で50代女性がミョウガ採取中にクマに襲われ負傷。子連れクマの出没が確認される
・ 2025年6月…田上町の護摩堂山の登山口にある駐車場でクマ目撃情報。一時、入山禁止となる
これらクマによる人の被害や目撃情報は全体のほんの一部にすぎない。なぜ近年、クマと人の遭遇が相次いでいるのか?
関係筋は以下のように話す。
「クマが里山に降りてくる最大の要因はブナの不作だといわれています。要するに腹をすかせたクマがエサを求めて山から平地へと降りてくるということです。秋のドングリの不作もクマがエサを求めて里山へ降りてくる要因のひとつといえます」 (関川村民)
別の関係筋は以下のような見方を示す。
「クマが人間の居住地にまで降りてくるのは、過疎化による里山の荒廃も大きく関係しているでしょうね。里山の管理が行き届かないことから、クマが動きやすい環境に変わりつつあり、ひいては行動範囲が広くなっていると考えられます」 (阿賀野市民)

里山の荒廃により、人とクマとの距離が近くなっているため、それだけ遭遇の機会も増えているというわけだ。クマの目撃情報が相次いでいる地域では十分な警戒が必須となっている。…続きは本誌で













