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2024年07月20日

本県はなぜ国公立大狙いが多いのか?

2024年06月27日

県内のある公立進学校は、高校入学時の国公立大志望が9割だという。このように、本県では進学校ほど国公立大学志向が強い傾向にある。いや、地方圏は国公立大志向が総じて強いそうだ。地元の国公立大への進学志望が多いからだ。地元がダメなら地方へでも…とばかり、全国に視野を広げる場合もある。片や大都市圏は、早慶・MARCHなど有名私立大の附属中高が人気。無論、そのままその私大への進学を目論む。一般受験でも地方国公立大には目もくれない。本県の国公立大志向と志望校選びを分析する。

 

私大専願のススメ

 

「国公立大の受験に必要な共通テスト。本県高校3年生の受験率は概ね50%で推移している。そのうち、5教科7科目(以下、標準科目)受験率は概ね60%、4教科以下の受験率は30%だ」

 

とはある学校関係者。本県の国公立大志向は誰に聞いても概ね「高い」と聞く。ところが、ほとんどの国公立大受験に必要な標準科目の受験率は6割と存外に低い。邪推すると、本県では国公立大学を受験できるレベルの層が、思いのほか育っていないのではないか?

 

「そうだとも言えるし、別の理由も学校や生徒によってはあるだろう。仮に育っていないとして、言い換えると標準科目を受験しても到底、国公立大合格に必要な点数をまず望めない生徒に対し、それでもなお国公立大進学を学校が勧め、そのための勉強をさせていることになる。それは無責任だ。早い段階から受験科目の少ない私大専願にシフトする選択肢を示すなど適切な指導が各学校には必要だ」 (同)

 

本県高校生の国公立大志向は本当に強いのか。学校も国公立大を勧めるのか。学校側の指導を含め、考えなどを聞いた。なお、回答はすべて匿名とし、本誌の独断ではあるが、難関大進学実績の高い学校を進学校、新大など地方国公立大学の進学実績が高い学校を中堅校として紹介していく。

 

「学費の差を別とすれば、国公立大が優っているのは、学生数に比して教員の数が多い点。そこを承知の上で、本校では国公立大を優先する指導はしていない。国公立大への進学を優先すること自体、率直に言ってさほど意味はないと考える。

 

同じ大学は1つとしてない。国立だからどうだ、私立だからどうだ、というような画一的な分別を持ち込むこと自体に、一体何の意味があるのかとさえ思う。

 

たとえば、『語学力を活かして国際社会で活躍したい』という生徒がいた場合、国公立大の選択肢はあるものの、東京外語大、国際教養大など、いずれも旧帝大クラスの超難関大ばかりで、そこを突破できる生徒が、本県にそう多くいるとは思えない。また、地方国立大に語学系統の学部はほぼない。

 

一方、私大であれば早慶をはじめ、語学では老舗の上智大のみならず、立教大(異文化コミュニケーション)、明治大(国際日本)、青山学院大(国際政経)など豊富な選択肢がある。これらの私大は、実際に東京外語大や国際教養大などと併願されることが多い。正直なところ、地方国立大に合格できる程度の力量では、これら上位私大の合格は覚束ない。

 

しかるに、早期から目標を明確にし、特定教科に絞って勉強に集中すれば、このクラスの難関私大とて合格可能である。しかも、ターゲットを絞った私大専願で対応するほうがコスパは断然良いはずだ。

 

不思議なことに、東京圏では至極当たり前になされていること(私大専願の指導)が本県ではなされていない。『何が何でも国公立大を目指せ』という一律の指導がなされているとすれば、余りにも偏頗であり、本県をますます凋落させる結果にしかならないのではないか。

 

無論、国公立大を目指す指導そのものを何ら否定するものではない。要は、国公私立の別に囚われない、フラットな目線と本人の希望に則した指導が必要と考える」 (私立中堅校)…続きは本誌で

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