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2024年05月8日

元手が激減 県内地銀・証券の仕組み債、投資信託に怨嗟の声

2023年09月27日

「仕組み債」をめぐり地方銀行は大混乱に陥った。8月31日、千葉銀行では地元経済界の重鎮である同行の会長が、来年3月末日で退任すると発表した。〝禁じ手〟とも言われる「仕組み債」に手を染めたのは第四北越銀行、第四北越証券も同じ。さらに同行、同証券が積極的に販売した投資信託では、「仕組み債」と同様、企業、個人を問わず相当に〝被害者〟が出ているようだ。

 

50代、独身女性の手記より

 

以下は飯山律子さん(仮名)による手記を、極力そのまま、一部本誌が飯山さんから取材した部分を加えて掲載するもの。手記の題名は「大手銀行、大手証券会社の勧誘による被害について」。「大手銀行、大手証券」とは、本県に本店を置く第四北越フィナンシャルグループの第四北越銀行(新潟市中央区、殖栗道郎頭取)、第四北越証券(長岡市、今村博社長)のことだ。

 

私(飯山律子さん)は54歳の独身女性で、県央地区の在住、飲食店に勤務しています。高校生の頃、父親が知人の保証人になったことから、新築中だった自宅を手放すことになったものですから、ずっとお金の大切さは身に染みて感じておりました。そのため預金通帳の額が増えることだけを楽しみにするような生活を送ってきたのです。

 

それまでこつこつと蓄えてきた預金が満期を迎えたことから、第四北越銀行と第四北越証券の担当者から勧められ、1,000万円の債権に入りました(これが、いわゆる仕組み債と呼ばれる商品だった)。2020年9月18日のことです。

 

当時は3カ月ごとに9万円以上の利息が付いていたことから、コロナで収入が大幅に減ったこともありましたので、生前贈与された親からの相続分など1,047万円をさらにかき集めて、「同じ債権に入りたい」と伝えたんです。ところが担当者から勧められたのは投資信託でした。

 

まだ合併前の北越銀行だった時代、投資信託を利用して失敗したことがありました。その時は担当者に「元本割れしそうになったらすぐに教えてほしい」と伝えていました。実際そのようになったら担当者が知らせてくれたことで、損をした額は少なくてすみました。

 

過去にこうしたことがあったものですから、投資信託には不安があって迷っていたところ、「(債権と違い)投資信託ならいつでも解約できます」、「私が1千万円あったら、絶対にこの投資信託にします」などと、株式の知識がない私に、担当者が専門用語を交えながら勧めてきました。それで契約書に印鑑を押してしまったのです。2021年1月18日のことです。

 

その際、右も左も分からなかった私は、「とにかく株価(投資信託)が少しでも下がったらすぐに教えてください」と、口頭で口酸っぱく担当者にお願いしました。第四北越銀行の担当だったAさん(女性)も、第四北越証券の担当者だったBさん(男性)も、「株(投資信託)が下がったら必ず報告します」と約束してくれました。…続きは本誌で

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