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2024年12月11日

南魚沼市議会・塩谷寿雄議長 公選法違反発覚で「軽率でしたm(__)m」

2022年12月27日

「過ちは往々にして好意から起こる」という。良かれと思ってやったことが、思わぬ結果を招くこともある。かつて選挙区内でうちわを配布したことを追及され、辞任した大臣がいた。県内の若手議員ではその名が知られる存在が南魚沼市議会の塩谷寿雄(しおやときお) 議長だ。飲食店の改装、開店祝で贈られた同議長の名が入った花輪が、「公選法違反では」と物議をかもした。

 

壇上から仕切る若手議長

 

南魚沼市議会の12月定例会は同月5日に始まり、16日に終了した。この議会は注目だった。前月末、市内の上越国際観光協会で約1千900万円の着服、私的流用が発覚したからだ。同市ではコロナ禍の経済対策として、令和2年からプレミアム付き旅行券事業、「雪恋」を実施している。

 

不正事件は「雪恋」の代金収納事務に関連して発生した。上越国際観光協会から旅行券の事業主体となっていた南魚沼市観光協会への代金未納分があったことから、着服、私的流用が発覚したという。当事者は何とトップの協会長だった(発覚して現協会長に交代)。

 

事件の詳細は省略するとして、12月13日に行われた市議会の一般質問で「市のコロナ支援事業で私的流用があったと報道されたことについて問う」と、この件のみを集中的に質問したのが黒岩揺光市議だ。

 

黒岩市議は黒岩宇洋元衆院議員の弟で、令和2年の市長選に出馬し、林茂男市長と一騎打ちを演じた。だが結果はトリプルスコアで同市長の圧勝。その後、黒岩氏は同3年10月の市議選に出馬し初当選した。

 

黒岩市議の質問は午前中に第1回目の質疑応答が終了。再質問は午後に行われたが、林市長らとの質疑応答がどうもうまく嚙み合わない。再質問の冒頭、同市議が「雪恋」事業の中身について解説すると、議場の一段高いところにある議長席から声がかかった。

 

塩谷寿雄議長がこう言った。「黒岩議員、黒岩議員、一般質問なんで質問をしてください」

 

上越国際観光協会で発生した事件に関連し、黒岩市議は6項目にわたって質問を行った。最初の項目が、「この件について単なる延滞行為ではなく、私的流用と認識しているのか」というもの。質問を続ける黒岩市議に、またも塩谷議長から声がかかった。

 

「黒岩議員、1番目の質問は私的流用と認識しているかで、その部分での再質問ですので…」

 

議会を仕切るのが議長の役目だ。注意ともアドバイスともとれる議長による前出の発言だが、そうそうあるものではない。あったとしても、他市の議会では議長が「暫時休憩」と宣言し、議会をいったんストップした上でお小言を伝えたりする。休憩中のことだから、注意された議員にとって不名誉なやり取りは記録に残らない。…続きは本誌で

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