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2022年12月2日

IR計画を静観する新潟の事情

2022年08月28日

コロナ禍となる以前、カジノを含む統合型リゾート(IR)の建設構想が全国各地で浮上したのは記憶に新しい。しかし今となってはその機運は見る影もなく減退。施設誘致に向けた「区域整備計画」を国に申請し受理されたのは、大阪府・大阪市と長崎県の2地域だけとなったが、本県においてはIR誘致に向けた動きはほぼ皆無だったといっていい。果たして理由は何なのか?

 

佐渡と五泉でカジノ誘致を公約に掲げた市長選候補

カジノを含む統合型リゾート(IR)は全国に最大3カ所まで整備していいことになっているが、国に対して今年4月の申請期限までに施設誘致に向けた「区域整備計画」を申請、受理されたのは大阪府・大阪市と長崎県の2地域だけだった。国は審査を経て認定するか否かを決めるが、結果が出るのは今秋以降とみられる。

 

かつては東京をはじめ、愛知県、神奈川県、千葉市、和歌山市などで建設構想が浮上したものの、ことごとく断念ないし申請見送りを余儀なくされたのは、コロナ禍となって以降、カジノの客としてアテにしていた訪日外国人客が大幅に減少し、収益確保が難しくなったことが背景にある。

 

というのもカジノを含むIRはもともと、カジノで莫大な利益を稼ぎ出し、その利益で世界最高水準のMICE(マイス・企業のための国際会議場や展示場などの施設)を整備・運営することが大前提としてあるからだ。

 

したがって前述したとおり、全国各地でIR建設構想が浮上したにもかかわらず、断念ないし見送りを余儀なくされたのは、端的にいえばソロバンが合わなくなったことが最大の理由だ。

 

実際のところ、申請に踏み切った大阪府・大阪市の当初計画では10万平方㍍超のMICEを整備するとしていたが、現在は規模を大幅に縮小し、開業当初は約2万平方㍍でスタートしてその後、段階的に規模を拡大していく計画となっている。率直にいって採算面が厳しいのだ。

 

さて、本県に目を転じると、これまでカジノを含むIR建設構想については、まったくといっていいほど議論されたことがない。

 

関係筋が話す。

「新潟で公然とカジノ誘致を口にした人は最近でいえば、2020年4月の佐渡市長選に立候補して落選した後藤浩昌さんくらいのものでしょう。後藤さんは2016年の新潟県知事選に出馬して落選していますが、佐渡市長選では“相川にカジノ統合施設を誘致する”という公約を掲げていました。

 

もっとも後藤さんは2018年1月の五泉市長選に出馬したときも“五泉市にカジノ統合施設を誘致”という公約を掲げていましたから、新潟において唯一、最も大きな声でカジノ誘致を叫んだ人は後藤さんといっていいでしょう」(政界筋)

 

2年前の佐渡市長選では、現市長の渡辺竜五氏が1万1210票を獲得して初当選したが、後藤氏の獲得票は5候補中、最下位の242票にとどまった。同氏のカジノ誘致の公約は、佐渡市民には響かなかったということだろう。…続きは本誌で

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