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2022年08月9日

佐渡ウイスキー製造計画が破綻して提訴された新潟麦酒

2022年07月27日

今から3年前、佐渡市でウイスキーを製造する計画が表面化し、マスコミ等でも大きく取り上げられた。地ビール製造の新潟麦ビール酒(新潟市西蒲区)が佐渡市の企業と手を組んで進めていたウイスキー製造計画だ。ところが3年が経った今も商品化されていないばかりか、現地では工場が稼働している様子もない。何を隠そう計画は完全に破綻し、プロジェクトの中心的人物の責任を問う裁判まで起きていたのだ。

 

「山崎」「響」も受賞した米国酒類品評会の金賞を獲得

世界的にウイスキーがブームとなっている。インドや中国、ロシアなど各国の経済発展に伴い、富裕層が高級ウイスキーを好んで飲むようになったことから、消費量が大幅に伸びているのだという。

 

高級ウイスキーの代表格といえばスコッチウイスキーだが、近年は「ジャパニーズウイスキー」も世界的に高い評価を得ており、こうした旺盛な需要を背景に国内各地で小規模蒸留所の設置が相次いでいる。

 

県内においても印章製造・販売の大谷(新潟市)が2020年に「亀田蒸溜所」の稼働を開始。すでにニューポット(未熟成原酒)を販売している。

 

また新潟市西蒲区越前浜で地ビールを製造する新潟麦酒は2017年にウイスキー製造を開始。自社で蒸留した原酒と本場スコットランドで熟成した原酒を混ぜ、ミズナラの樽で寝かせたブレンデッドウイスキー「越ノ忍」は2019年3月の米国酒類品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)」で最高賞に次ぐ金賞を獲得した。

 

SFWSCの金賞は過去にサントリーの「山崎」や「響」も受賞しており、製造開始から間もない新潟麦酒の受賞は文字どおり快挙だったことから、新潟麦酒と同社社長を務める宇佐美健氏の名前は一夜にして業界関係者の知るところとなった。

 

その勢いを駆って新潟麦酒の宇佐美社長は同じく2019年、佐渡市におけるウイスキー製造を計画。原料に佐渡産の大麦を使ったウイスキーを商品化し、佐渡観光の振興にも一役買うことを目指したのだった。

 

関係筋が話す。

「計画が表面化した当初、新潟麦酒は佐渡市内で産業廃棄物処理やリサイクルなどを手掛ける現地企業と提携して事業化するつもりだったようですが、この企業との調整がつかなかったことから、宇佐美健社長は佐渡島内で養豚事業を行っている別の企業の親会社に提携を願い出たのです」(佐渡市の関係者)

 

新潟麦酒の新たな提携先は福岡市に本社を置くCODE(西山哲弘社長)で、貿易事業をはじめ、農畜産事業、水産・養殖事業、BPO(業務工程外部委託)事業などを展開している。

 

農畜産事業については、子会社の佐渡PROJECT(西山社長)が主に佐渡市で島黒豚を生産。また水産・養殖事業については、同じく佐渡PROJECTが同市でウニやサクラマスなどを生産している。

 

宇佐美社長は佐渡PROJECTのこうした島内での実績を評価して、親会社のCODEにウイスキー製造に関する提携を申し出たとみられ、同社もこれを快諾したのだった。…続きは本誌で

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